大仙市あけぼの町の佐藤さん

日本防災士機構認定の防災士に

救助活動のリーダーとして活躍したいと受講(7月23日・月)

  地震などの災害時に地域の防災リーダーとして役立ちたいと、大仙市大曲あけぼの町の県職員・佐藤幸嗣さん(37)は、今月6日から3日間にわたって仙台市で開かれた「防災士研修講座」を受け、防災士としての認証を受ける資格を取得した。防災士研修センター(東京・千代田区)が実施している講座を受けたもので、佐藤さんには今月末までNPO法人日本防災士機構から「防災士証」が届けられる。

  防災士は、1995年の阪神・淡路大震災で住民同士の助け合いが災害拡大の防止に大きな力を発揮した教訓から、住民の防災対応能力を高めたいと創設された民間資格。02年7月に内閣府からNPO法人としての認証を受け、翌年9月に第1回防災士資格取得試験を実施し、10月には防災士第1号が誕生している。

  認証を受けた防災士には▽消防や自衛隊などの公的支援が到着するまでの間、被害の拡大を軽減するための初期消火、救出救助、避難誘導▽自治体など公的組織や災害ボランティアと協働して避難所の運営や被災者支援活動▽平時における防災意識の啓発・災害に備えての訓練─などの役割が期待されている。

  今年4月末までの防災士としての認証者は全国で1万7259人。しかし、その認証資格を取得しているのは東北では宮城350人、福島270人に対し、本県は116人と最も少ない。

  こうした現状が今年5月に新聞報道され、今月27日から3日間にわたって秋田市で研修講座が開かれることを知った佐藤さんは、「公務員である以上、地域に役立つことをしたい」と決心。しかし、用事もあって秋田市での日程には参加できないため、同センターに問い合わせたら今月6日から仙台市でも講座が開かれることを知った。

  受講者には1カ月前に日本防災士機構編纂の「防災士教本」が送られ、自宅学習を求められる。それも半端なものではなく、A4判で322ページもある教本だ。教本は▽防災士の役割▽耐震診断と補強▽災害とボランティア活動▽地震、津波の仕組みと被害、火山噴火の仕組みと災害▽緊急救助技術などが盛り込まれ、「履修確認レポート」を提出しなければならない。

  しかも、仙台までの交通費と宿泊費、教本・資料代など受講費5万3000円、資格取得試験3000円、防災士登録費5000円の計6万1000円の経費も自己負担。それでも佐藤さんは「災害が起きて目の前に救助が必要とする人がいたら、防災士として学んだ知識を生かせる」と惜しまなかった。そして勤務している県平鹿地域振興局建設部に休暇届けを出して3日間の研修を受けた。

  講師は防災情報機構NPO法人会長・元NHK解説委員の伊藤和明氏、全国治水砂防協会常務理事で元国交省砂防部長の岡本正男氏、日本大学大学院総合科学研究科の首藤伸夫教授など防災界を代表する教授陣。

  被災者支援・避難所運営、地震の仕組みと被害、気象災害、耐震診断と補強、津波の仕組みと被害、土砂災害と対策などを学んで最後に防災士資格取得試験を受けた。

  佐藤さんは「仙台市での受講者は100人ほどで、宮城県庁からの参加者もあった。研修センターの話では6月末現在で県内の防災士の認証者はやっと1人増えて117人。しかも、秋田会場での受講申し込み者は62人と少なく、自治体関係職員はほとんどないというだけにもう少し関心を持ってもらいたい」と話す。同センターによると大仙市では広域消防本部の職員1人が防災士の認証を受けているという。

  防災士に認証されると日本防災機構は、自治体及び消防機関から要請があれば、その管轄管内に居住している防災士の指名を通知し、防災活動のリーダーとしての活躍を求めることになる。