仙北まるごとバリアフリー実行委
障害者が先生になって小学校で授業(6月19日・火)
高齢者や障害者が安心して暮らせる社会を目指そうと小学生を対象としたバリアフリー社会形成のための啓発授業が、仙北まるごとバリアフリー実行委員会によって開かれている。18日には大仙市協和の峰吉川小学校(小西葉子校長・児童数57人)で、4年生の児童7人が手話通訳を体験したり、盲導犬と暮らしている視覚障害者の話を聞くなど熱心に勉強した。
仙北まるごとバリアフリー実行委員会は高齢者、障害者を含むすべての県民が、安全で快適な日常生活を営むためには心のバリアを取り除き、地域が一体となって支え合うまちを目指すべきだと県仙北地域振興局福祉環境部からの支援を受けて設立した。
NPO法人障がい者自立生活センター「ほっと大仙」の奈良克久事務局長が実行委員長となっている。そしてバリアフリー社会を形成するには、子どもたちから理解を深めてもらうのが先決と管内の小学校に授業開催を呼びかけた。その結果、3月27日までに6小学校から希望があった。対象は中・高学年の児童。総合学習時間の日程を調整し、第1回目は17日、協和の小種小学校(山崎敏校長・児童数25人)で開き、18日が峰吉川小学校となった。
峰吉川小の授業には先生役として福祉環境部から4人、そして視覚障害者の富士村スミ子さん(69)=花園町=が駆けつけた。最初に福祉環境部の高階由香理さんが映像を使ってバリアフリーについて10分ほど講話。高階さんは「足が不自由だと階段を昇るのも大変だし、耳が聴こえなかったら後ろから呼びかけられても、車が近づいてきても気づかない」と障害者の立場になって説明。そうした不便さを何とかなくそうと手すりやリフト付きのバス、点字ブロック、車いす使用者のための駐車場が用意され、雪の障害をなくそうとロードヒーティングや雪寄せボランティア活動もあるなどと紹介。
続いてやはり福祉環境部職員で手話通訳の小林日笑美(ひふみ)さんが「耳の遠い人と会話をする時は大きな声で話しますが、それでも聴こえない人たちのために手話という方法があります」と「お早う」「こんにちわ」「こんばんわ」「ありがとう」などあいさつを中心に手話を実演。子どもたちは小林さんの手と指の動き、表情の変化などを興味深く見つめ、自分たちも覚えようと一生懸命に真似をしていた。
3人目の先生として富士村さんが登場。富士村さんは盲導犬と共に学校を訪れた。子どもたちは盲導犬が富士村さんの指示を受けてジッと床に寝そべっている従順な姿に驚いていた。富士村さんは「自由に外を歩けたらと思って盲導犬に頼ることにした。訓練所に行って一カ月、パートナーとなってくれる犬と共同生活し信頼関係を築いた。盲導犬は私たちを誘導して歩く時は、決してモノにぶっつからないよう訓練されてるが、右に行くか、左に曲がるかは自分で指示し、交差点を渡る時は信号機の音を聞いて自分で判断しなければならない」などと話しながら、「盲導犬のおかげでいろんな所に歩いて行けるようになったから本当にありがたいと思います」と締めくくった。
富士村さんの話を聞いた後、7人は福祉環境部が用意した白杖とアイマスクを使って交互に視覚障害を疑似体験。担任の先生の腕や友だちの肩につかまりながら、階段の昇り降りもした。そして最後は富士村さんに「知らない所での食事や買い物はどうしてますか」など次々と質問。富士村さんは「知らない所での食事は板前さんからどんな料理があるのか聞いてから注文します」「買い物もなるべく自分で行って、どこに何があるかをレジの方に聞くと案内してくれます」と常に積極的に声を掛け、手助けを受けるようにしているなどと答えていた。
授業を受けた7人は「これからは困っている人や苦しんでいる人のために役に立てるよう頑張りたいと思います」(加藤若奈さん)などと一人ひとりが感想と礼を述べていた。