仙北中の1年生、古代稲を田植え(5月25日・金)
大仙市仙北地域にある国指定史跡「払田柵」を学び、古代稲の田植えを体験する「古代浪漫、そして未来へ。キッズin払田柵」が25日、同市横堀の田んぼで行われた。県仙北地域振興局の事業で地元、仙北中学校(倉橋正伸校長・生徒数171人)の1年生62人が安部光夫古代稲生産組合長らの指導を受けながら古代稲の「紫黒米」を手植えした。
キッズin払田柵は貴重な国の史跡である「払田柵」を学ぶと同時に農作業体験を通じて将来の担い手育成につながればと企画した。
前日は同地域にある県埋蔵文化財センターの吉川耕太郎文化財主任を講師に生徒たちは「払田柵はすごい」と題したテーマで柵の歴史を学んだ。払田柵は今から1200年前の平安時代に築かれた儀式や行政、軍事の機能を持った役所跡。約89ヘクタールもの広大な面積を持ち、外柵と内柵の二重に囲まれた遺跡からは、木簡や墨書土器、漆紙文書など多くの文化財が発掘されている。生徒たちはプロジェクターに映された貴重な文化財に目を輝かしながら、「これが自分たちの住んでいる故郷から出た財産だと思うと誇らしい」と胸を張っていた。
古代稲は同市四ツ屋にある東北農業研究センター大曲キャンパス(旧・東北農試)が、バリ島在来の有色米「紫黒米」を改良し、特産品として利用できないかと1992年に作付けしたもの。赤と紫黒の2種類があり、2〜3000年前に中国大陸から伝来、古代日本では赤飯の代わりに神事などに用いられた。
白米に比べ、ビタミンや鉄、カルシウムなどの栄養価が高く、当時のJA仙北町が「地域興しにつながるのではないか」と飛びつき、安部さんらによって古代稲生産組合が結成され、現在も14人の組合員が23ヘクタールの田んぼで栽培している。
その米を利用して地元の秋田清酒では1997年に古代米酒「払田の柵」を開発、さらに「桜絵巻」へと商品化され、桜色の日本酒はワインのような甘さもあって女性の人気を呼んでいる。さらに安部さんらが栽培している古代米は県外の食品加工業者にも健康食品の材料として販売されている。
前日、学校で払田柵を学んだ生徒たちは安部さんから古代米栽培のこれまでの流れを聞いた後、田んぼに入って泥だらけになって田植え。農作業はほとんどが機械化されているため、手植えという作業は滅多にない。県仙北地域振興局の職員も生徒たちと一緒になって田植えを体験。「泥に足を取られるし、腰は痛くなり、全身運動ですね」と汗を流していた。同局では「秋には稲刈りを体験してもらい、試食会も開いて農業の魅力を学ぶ場としたい」と話していた。