ブラックバス駆除を

仙北魚協と淡水魚研究会

雄物川の在来種を守ろうと捕獲作業(5月26日・土)
 

  仙北漁業協同組合大曲支部(品川秀男支部長)と秋田淡水魚研究会(杉山秀樹代表)では「全国一斉ブラックバス防除ウィーク」の一環として26日午前8時から、大仙市飯田地区の雄物川右岸でブラックバス駆除を行った。前日に12カ所に刺し網を仕掛け、それを引き揚げたもので、体長18センチから30センチ前後のブラックバス10尾が捕獲された。漁業組合による雄物川でのブラックバス駆除は6年前から始まり、05年には環境省が「絶滅危惧IB類」に指定しているゼニタナゴが発見され、関係者を驚かすなど成果を挙げている。

  この日は漁業組合員や淡水魚研究会員ら約30人が参加。川船を出して網を引き揚げると一つの網から20数尾の魚が掛かった。今回はゼニタナゴなど小型の魚は保護したいと網の目の大きなのを仕掛けた。その結果、体長50センチもあるコイも掛かった。また、フナやオイカワなどの他にアカヒレタビラやヤリタナゴなど貴重な魚も水揚げされ、これらの在来種は水槽に入れて保護し、ブラックバスだけを選り分けた。

  ブラックバスはオオクチバスの通称で、大きくなると50センチにもなる。北アメリカが原産地で、ブラックバス釣りという〃遊び〃が人気になったことから日本に移入され、密放流されたのが原因となって全国に広がった。しかし、在来種であるアユなどの寿命が1年、サケでも4年程度なのにブラックバスの寿命は10年と長い上、在来種を捕食するという獰猛さもあって、国内の河川や湖沼に生育している魚の生育環境が大きく崩れた。

  このため、在来種である魚を保護するにはブラックバスの密放流防止と駆除するしかないと05年11月に秋田淡水魚研究会、阿武隈生物研究会など全国から11団体が集まって「全国ブラックバス防除市民ネットワーク」が結成された。その団体も現在は25に増え、ブラックバス産卵期の5月27日から6月3日までを「全国一斉ブラックバス防除ウィーク」として駆除の輪が広がった。

  一方、国でもブラックバスを外来生物法の特定外来生物に指定、その飼育も保管、さらには運搬、販売、譲渡、輸入、野外に放つことなどを禁止している。

  この日の駆除には秋田淡水魚研究会代表で、県水産振興センター内水面利用部の杉山部長、それに北海道大学水産科学院の後藤晃教授、本荘高校定時制課程教諭と同校科学愛好会の生徒も調査、研究のため参加。

  杉山部長は「秋田県でブラックバスが最初に確認されたのは1982年だった。それがあっと言う間に県内各地に広がった。親1尾だけで6000粒から7000粒の卵を生むだけに、親1尾の捕獲だけでも成果は大きい」と話す。また、後藤教授も「北海道では発見されて直ぐに駆除したため生息してない。繁殖してしまってから大事なのは、次の世代を作らせないようにすることで、産卵期にその場所を叩いてしまうことだ」と組合員らの駆除の様子を見守っていた。そして本荘高校科学愛好会の生徒は杉山部長や後藤教授らの指導を受け、捕獲されたブラックバスを解剖し、どのようなものを食べているかを熱心に調べた。