第37回楽器まつり演奏会
全校児童一体のミュージカルに聴衆も大きな感動(11月5日・月)
| 大川西根小学校の全校音楽 | 大曲小学校和太鼓部も友情出演し、勇壮な演奏を聴かせた。 |
全校音楽で知られる大仙市大川西根小学校(鈴木恒久校長・児童数78人)の「第37回楽器まつり演奏会」が4日、大曲市民会館で開かれた。音楽を通じて子どもたちに自信と誇りを持たせたいと1961年(昭和36年)、同校に赴任した一教諭の発想から始まった全校音楽は今年で46年目を迎え、上級生が下級生に楽器の演奏の仕方などを指導する伝統は地域の文化としてすっかり根づいている。78人の子どもたちは500人を超す観客の前で演奏し、歌い、劇を演じ、はつらつとして踊った。そして聴いている大人たちに大きな感動と勇気を与え、幕を閉じた。
鈴木校長は「子どもたちはこの日のため一生懸命、全校音楽に、ミュージカル学習に取り組んできた。78人が心を一つに音を奏で、心のメッセージを届けようと張り切ってます」とあいさつし、「思いをば伝えしキラリ夢舞台」の句を披露し、幕を開けた。
楽器まつり演奏会は2部構成で、第1部は「全校音楽」。創立110周年賛歌の「はばたきマーチ」、「ウィーンはいつもウィーン」、校歌「われらの母校」に続いて映画音楽「サウンド オブ ミュージック」へと盛り上げた。バイオリンやチェロ、フルートやクラリネット、そしてトランペット、トロンボーンなどオーケストラを演奏するのは4年生から6年生。今年入学した1年生10人と2年生は鍵盤ハーモニカ、3年生はリコーダーを手に演奏し、元気いっぱいに歌った。
普段着のままでの演奏は子どもたちのお父さん、お母さん、祖父母、そして西根小の多くの音楽ファンのハートにもしみ込み、1曲ごとに大きな拍手が沸いた。最後には初めて挑戦したというサンサーンスの組曲「動物の謝肉祭」から、「序奏とライオンの王様の行進」や「ぞう」「白鳥」も披露。弦がうなり、管楽器が叫び、打楽器が弾ける迫力ある演奏は感動を呼んだ。
休憩に入ってロビーに出てきたファンの女性は「短期間の練習であのような演奏を聴かせられるからすごい。子どもたち、そして指導している先生たちに感謝です。この伝統がこれからも引き継がれていくことを祈ります」と感想文を書いていた。
第2部のミュージカルが始まるまでの間は大曲小学校和太鼓部が友情出演。中央公民館ステージで4年生から6年生56人の部員が、「マザーアース」や「みちのく太鼓」など3曲を渾身の力を込めて演奏し、新たな感激を与えていた。
そして2007ウエストドリームミュージカル「西山の生命(いのち)の木」が始まった。児童数の減少で、オーケストラを受け持つ児童は15人。音のボリュームを高めたいと先輩の大曲西中の生徒10人と元同校の校長や市内でピアノ教室を主宰している2人が応援参加した。そして子どもたちのお母さんたち12人も劇の幅を広げたい、とコーラス隊を作って初参加。地域ぐるみのミュージカルとなった。
今年は地球温暖化をはじめとする「環境問題」にスポットを充てた。西山に生きる老木や若い木、そしてカモシカやリス、ウサギ、小鳥たちも登場する。大切な自然を皆の手で守ろうとするメッセージを伝えたいと子どもたちは一生懸命に演じ、歌い、踊った。幻想的な西山の森を描いた舞台、スポットライトの鮮やかな色彩。それにも増して子どもたちのオーケストラの豊かな音、熱心な劇、フィナーレでの出演者全員が登場しての「さようなら」の大合唱は感動の渦となった。
テーマとあらすじは昨年の冬から考え、夏休みのミュージカル学習で5、6年生と先生たちが話し合って台本を作ったり、オーケストラの作曲もした。そして夏休み明けからは週2回の練習を始め、10月に入ってほぼ毎日1時間、全校児童そろってのミュージカルとダンスの練習を積み重ね、本番に備えたという。秋田市で親子ミュージカルを主宰している佐藤修三さんも演出指導に駆けつけるなど皆で力を合わせて咲かせたミュージカルの花だった。