車両事故を想定に防災訓練
トンネル内での救出や排煙効果などをチェック(11月15日・木)
仙北市田沢湖と岩手県盛岡市を結ぶ国道46号「仙岩トンネル」で、15日正午から防災訓練が行われた。延長2544メートルもあるトンネル内で地震、雪崩などによる災害や交通事故、車両火災などが発生した場合、トンネル内の防災設備が有効に活用するか、そして警察・消防など関係機関と連携を図り、災害を最小限にとどめることを狙いに実施した訓練で、今回で30回目。訓練は岩手県側と秋田県側で毎年、交互に行っており、今年は秋田県側での実施となった。
訓練には秋田、岩手両県警、仙北警察署、盛岡西警察署、大曲仙北広域消防本部、盛岡地区広域消防本部、それに仙北市と雫石町、国交省岩手、秋田両河川国道事務所職員ら約100人が参加。
午後0時15分ごろ、仙岩トンネル内の秋田側坑口から700メートル付近で、岩手県方向に向けて走っていた乗用車が運転を誤り、トンネル側壁に衝突。さらに後続の車2台が追突し、4人が負傷、1人はハンドルと座席に挟まれ、救助を求めている。また、先頭車両からはガソリンが漏洩し、火災が発生したなどを想定に行われた。
午後0時と同時にトンネル周辺は全面通行止めとなり、事故現場へと向かって大曲仙北広域消防本部の救助工作車や化学消防ポンプ車、救急車などが走った。トンネル内にサイレンの音が響き、見守る関係者にも緊張感が高まった。
救助工作車と共に駆けつけた救急隊は車内に閉じ込められた運転手の救助や応急手当、そして搬送を急ぎ、消防隊はポンプ車とトンネル内の消火栓を使っての消火訓練、さらに油流出防止訓練をてきぱきとこなした。
一方、国交省秋田河川国道事務所員は事故車の乗員からの緊急通報を受けて、トンネル内に設置されている監視カメラを仙岩管理所で操作し事故状況を把握、そして消防への通報や送風機を稼働させ、火災で発生した煙の排出、スプリンクラーでの消火、警察と連携した交通規制の実施などを行った。
これまでは坑口から30〜50メートルの距離での訓練だったが、今回は排煙効果もチェックしたいと坑口から700メートル奥での実施。トンネル内で発煙筒もたかれ、煙の流出状況も確認するなど本番さながらの動きを見せていた。
仙岩道路は宝風橋、湖山橋、樹海橋など21本の橋、そして仙岩トンネル、大平トンネル、板谷トンネルなど8つのトンネル群で結ばれ、総延長16.3キロ。1967年(昭和42年)から10年余りかけて開通した。それ以前は標高890メートルの峠を超える山岳道路で、冬期間の通行は深い雪で不可能だった。国交省秋田河川国道事務所によると現在の1日の通行量は5000台から6000台で、本県と岩手県の生活物資を運ぶ大動脈となっている。