美郷町「学友館」

町所蔵品展開催中

江戸期から現代までの書や絵画など多彩に(10月9日・火)

  美郷町六郷の「学友館」で「町所蔵品展=温故知新=」が開かれている。合併前の六郷町、千畑町、仙南村の旧3町村が所蔵している美術品を展示しているもの。展示作品は26点と規模は小さいものの油絵から日本画、墨絵、そして写真、工芸品と多彩な美術品が一堂に観られるだけに心満たす展示会だ。

  展示されているのは白雲上人(1764年〜1825年)の絵「巖崖碧流」、江戸時代の紀行家として活躍した菅江真澄(1754年〜1829年)の書「花の松嶋」、千畑生まれの政治家・坂本東嶽(1861年〜1917年)の漢詩、六郷出身の画家で、ベルギー王室展入選作を持つ小西正太郎(1876年〜1956年)の油彩画「冬景色」、千畑生まれで文化庁主催選抜現代美術展で特選を受賞している高橋清見さん(1932年〜)の「山青む」、仙南生まれの画家・藤井勉さん(1948年〜)の水彩画「落日」、一穂焼きで知られる六郷地区在住の陶芸家・鈴木宏之さん(1935年〜)の「田沢湖水精の泉」、仙南地区在住の写真家・泉谷玄作さん(1959年〜)の「水の精霊」など。

  白雲上人は江戸期の白河藩主・松平定信の知遇を得て絵師として活躍後、六郷の本覚寺住職となった。各地の風景を写生した「真景帖」(本覚寺所蔵)は県の重要文化財になっている。坂本は14歳で慶応義塾に学び、犬飼毅とも親交を深め、衆院議員、貴族院議員としても活躍。その自宅は現在、公開中。

  小西は明治28年(1895年)東京美術学校に入学、黒田清輝に師事し、45歳でパリへ留学し、欧州の美術展に出品を重ねるなど活躍した。高橋さんは日本芸術院賞受賞作家の児玉希望に師事し、1983年改組第15回日展「雨」で特選を受賞、現在は同展に委嘱出品している。

  藤井さんは現在、岩手県盛岡市在住。具象画で東京の日本橋三越本店で個展を開催するなどの人気作家。鈴木さんは独自に開発した焼き物の手法で、絵画のようなイメージを与えるとその作品は高く評価されている。泉谷さんは花火などの火と水をライフワークに雑誌、カレンダーなどに多くの作品を発表。最近も中央の出版社・ポプラ社から「花火の図鑑」を発行するなど活躍している。

  絵や写真のほかに今から約220年前の六郷の街並みが記され、町指定文化財となっている「六郷高野村絵図」や秋田市の千秋公園の設計や大仙市仙北地域の国指定名勝「池田氏庭園」を設計した長岡安平の「山本公園(仙南)設計図」など歴史資料も展示されている。

  訪れる人たちは江戸時代から現代までの郷土の作家たちの残した作品に敬意を表しながら、観賞を楽しんでいる。入場は無料で、11月4日まで。月曜日は休館。