こねこのきょうだいグルグルとゴロゴロ
ロシアの国民的キャラクター「チュブラーシカ」も絵本化(10月30日・火)
大手出版社「小学館」(本社・東京都千代田区)から、絵本2冊の新刊案内があった。第5回小学館「おひさま絵本大賞」を受賞した江川智穂さんの最新作「こねこのきょうだい
グルグルとゴロゴロ〜おしゃれじまんのツリーたち〜」とロシアの国民的キャラクターを初の絵本化した「チェブラーシカ」の2冊。どちらも絵本ならではの夢を子どもたちに与え、親子で楽しめるストーリーだ。クリスマスに合わせた素敵なプレゼントとしてお勧めしたい。
江川さんの「グルグルとゴロゴロ」はシリーズ6巻目の人気本。小猫の兄弟「グルグルとゴロゴロ」はお母さんに頼まれ、クリスマスの準備中。でも、家の外ではもみの木たちが集まって、雪の舞台で自分のクリスマスファッションを自慢し合うショーが始まろうとしている。さあ、ジッとしていられない小猫の兄弟。
このクリスマスツリーを話題にした「おしゃれじまんのツリーたち」の他、森の中でドングリを集めているグルグルたちに、ポケットを貸してあげようと怪しげなクマが近寄ってくる「くまのポケット」、届いた宅配便を開けると、空へと伸びる階段が現れ、空の住人と出会うグルグルとゴロゴロの「おはなしたくはいびん」の全3話が収録されている。
小猫の兄弟のイタズラっぽい目と表情のかわいさ、様々に着飾って登場するツリーたちの豊かな笑顔、ポケットをいっぱい着けたスカートをはいて出てくるクマの下心を秘めた笑み、空へと伸びる階段を上がって出会ったまん丸い顔をしたおじさんの不思議な笑顔。 「夜の出番が来るまで眠りたいから本を読んでくれ」と頼むその空の住人は誰か?。クリスマスツリーたちを踊らせ、小猫の兄弟をだまそうとしたクマを困らせ、空の住人に本を読み聞かせるなど、絵本は不思議な世界へと読み手を導く。
著者の江川さんは「どこからきたの、ふしぎなみず」で第5回小学館「おひさま大賞」を受賞。その独特な発想力は絵本作家の長新太さん、角野栄子さんも絶賛。読み聞かせお話雑誌「おひさま」で、「グルグルとゴロゴロ」を02年(平成14年)から連載している。
B20取変型・48ページ。税込みで778円。26日から全国の書店で発売中。
もう1冊はロシアの国民的キャラクターを初の絵本化した「チェブラーシカ」。1967年に出版されたウスペンスキーの児童文学作品「ワニのゲーナ」を元に制作されたコマ撮りの人形アニメ映画に登場する人気キャラクターで、名前のチュブラーシカとは、ロシア語で「ばったり倒れ屋さん」という意味。ジャングルからきた正体不明の動物で、歩いているとばったりと倒れることから命名された。
まだ名前もなかった物語の始まりでは「びっくり するほど おおきい みみと、びっくり したような おおきい めだま」をした〃不思議な動物〃と紹介される。しかし、そのビックリするほど大きな耳とビックリしたような大きな目を持った動物は、抱きしめたくなるようなかわいさだ。ロシアでは04年夏のアテネオリンピック、06年冬のトリノオリンピックと続けて、ロシア選手団の公式応援マスコットにもなったという。
物語はチュブラーシカの不思議な登場シーンから始まり、ワニのゲーナとの心温まる出会いと交流。そしていじわるで、友だちもいないおばあさんのシャパクリャクと繰り広げるドタバタ劇を経て、友だちがいない人たちのためにキリンやライオン、犬などの動物、それにおじさん、おばさんも力を合わせ「友だちの家」をつくり出す。いじわるだったシャパクリャクがソッと友だちの家を花で飾って仲間入りするのがいい。素朴で味わい深い絵、ちょっと切なくてギュッとくるような物語。絵本ならではの素敵な世界だ。訳はこじまひろこ、文はやまちかずひろ。
カラー40ページで、213ミリ×175ミリのサイズ。税込みで1365円。11月1日から全国の書店で販売される。