花火のすべてが分かります

美郷町の写真家・泉谷さん

ポプラ社が「花火の図鑑」を発行(9月5日・水)

  美郷町在住の写真家・泉谷玄作さん(48)=日本写真家協会会員・金沢西根字釜蓋=の「花火の図鑑  はじめてみる花火の世界」が、株式会社ポプラ社(本社・東京)から出版された。オールカラーの豪華版で、夜空に打ち上げられる様々な花火に焦点を当て、どういう種類の花火かなどを写真と文章で分かりやすく解説し、普段は見ることができない花火製作の工程から、打ち上げ現場まで取材の足を伸ばし緻密にまとめた。

  泉谷さんは20代後半から風景をテーマにしたプロカメラマン目指して研鑽を積み、その後は花火など「火と水」をライフワークに活動。これまで「FLASH  DANCE」(カッパンプラン刊)、「心の惑星─光の国の物語」(クレオ刊)、「日本列島  四季の花火百華」(日本カメラ社刊)などを出版している。また現代アートの巨匠「蔡國強」氏の依頼を受けて渡米し、2002年MoMA主催の「動く虹」の花火や2003年セントラルパーク150周年記念の「爆発」を撮影するなど幅広く活躍している。

  今回の「花火図鑑」はポプラ社からの依頼を受けての著作。全国の大きな花火大会を求めて沖縄から北海道まで5年間をかけて撮影に走り、蓄積した膨大な作品の中から写真を選び抜き、花火に使われる金属化合物の「炎色反応」など「花火のひみつ」から、花火の歴史、日本の花火と世界の花火の違い、花火の鑑賞の仕方、花火師の1日、さらに全国各地の花火競技大会の内容からその日程までを網羅している。

  特に「花火のひみつ」では「菊」「牡丹」「千輪」など伝統の割物やチョウやハート、アルファベットなど様々な形に開く「型物」、音を出すために作られる「雷(らい)」や「分砲」といったポカ物の説明から、割物花火の図解での説明、10号(尺)玉の打ち上げ花火の大きさ、その花火の構造から完成までの工程なども詳しく紹介している。

  便利なのは花火を楽しむためのアイコン。昇曲導、菊、牡丹、柳、冠菊、万華鏡、三重芯、八重芯など花火の種類や肉眼で見た時の花火の明るさを絵文字化し、掲載された花火に貼り付けたことだ。これによって芯入変化菊や八重芯変化菊、牡丹などの花火は変化星や銀乱、冠菊などが使われているといった基礎知識も得られる。花火の明るさを示したアイコンは撮影目安にも役立つ。

  花火には「昇小花付八重芯引先紫銀乱」、「分砲花雷二段咲」、「昇朴付分砲緑小花二段咲」など様々な玉名がつけられる。花火業界独特の専門用語で、花火は好きでもその玉名を見ただけでは分からないのが実態だ。図鑑ではそうした花火の構造も分かりやすく説明。さらに「花火写真の撮り方」も紹介するなど至れり尽くせりだ。

  こうした説明だけでなく、全国の花火競技大会を歩き回って撮影した作品の中から選び抜き、「花火ウォッチング」として豊富に使われた花火の写真も豪華絢爛だ。

  北海道網走市の「網走流氷まつり」での雪像を前景にした花火、新潟県小千谷市の「片貝まつり浅原神社秋季例大祭奉納大煙火」での世界一大きな40号(4尺)玉の「黄金すだれ花火」の豪快さ、東京都の「隅田川花火大会」、そして大仙市大曲の全国花火競技大会の目玉である「大会提供花火」などプロカメラマンならではの技とセンスで捉えた作品は感動を与える。

  「どこの花火大会にいっても、この図鑑をガイド役に花火をみたら、一人でも、家族みんなでも、また友人とでも楽しく花火をみることができるでしょう」と泉谷さん。288ページすべてが花火づくしの貴重な一冊と言えよう。全国の書店で販売中。税抜き価格は1680円。