古代浪漫、そして未来へ

県仙北地域振興局のキッズin事業

仙北中の1年生、古代稲の稲刈り体験(9月27日・木)
 

  大仙市仙北地域にある国指定史跡「払田柵跡」を学び、古代稲栽培を体験する「古代浪漫、そして未来へ。キッズin払田柵」事業の稲刈りが27日、同市横堀の田んぼで行われた。県仙北地域振興局の事業で、春5月に田植えをした仙北中学校(倉橋正伸校長・生徒数171人)の1年生63人が安部光夫古代稲生産組合長の指導を受け、紫黒米の稲刈りを体験した。

  キッズin払田柵は故郷の地に眠っている国指定史跡を学ぶと同時に農作業体験を通じて将来の農業担い手育成につなげたいと振興局が企画した。春には田植え前に県埋蔵文化財センターの職員を講師に「払田柵」の歴史も学んだ。

  古代稲は同市四ツ屋にある東北農業研究センター大曲キャンパス(旧・東北農試)が、バリ島在来の有色米「紫黒米」を改良し、特産品として利用できればと1992年に作付けしたもの。赤と黒の2種類あり、2〜3000年前に中国大陸から伝来、古代日本では神事の時の赤飯代わりに用いたとされている。

  白米に比べ、ビタミンや鉄、カルシウム、それに肌を活性化するアントアチキスという成分も含まれ、栄養価の高さが注目されている。合併前の旧仙北町ではその稲を利用して「地域興しにつなげたい」と飛びつき、安部さんを中心に古代稲生産組合が結成され、14人の組合員が23ヘクタールの田んぼで栽培している。これだけの栽培面積は全国一だという。

  安部さんによると健康食として県外の食品加工業者や化粧品会社などから注文があり、地元の秋田清酒株式会社でも1997年から古代米酒「払田の柵」を開発、さらに桜色をした日本酒「桜絵巻」へとブランドを拡大。ワインのような甘さは女性を中心とした人気小品になっている。値段は秋田のブランド米「あきたこまち」の2倍前後だが、問題は10アール当たりの収量が6俵前後と少ないのがネックになっている。

  バスに乗ってやって来た生徒たちを迎えた安部さん夫婦は「春先には田植えで難儀をかけたな」と礼を述べ、「この稲は刈り取ると株が紫色に見えるのが特徴で、美容と健康にも良いと注目されてるんだ」と説明。そしてカマを手にサクッ、サクッと手際よく稲刈りの見本を示した。

  好天にも恵まれ、絶好の稲刈り日。長靴に履き替えた生徒たちは「稲刈りは小学校でもやったから大丈夫」とカマを手にサクサク。見守る地域振興局の職員たちは「こうした稲刈りが故郷への愛着になってくれれば嬉しい」と話した。収穫した稲は脱穀し、学校給食の時に試食してもらうという。