大仙市でサケの稚魚放流
花館小の児童ら願いを込めて玉川へ(4月10日・木)
「大きくなって、戻ってきてね」。10日、大仙市花館の玉川橋下流右岸で今年も小学生によるサケの稚魚の放流が行われた。大仙市鮭ふ化放流事業組合(組合長・栗林次美市長)と雄物川鮭増殖漁業生産組合(三浦尚組合長)が、サケの資源保護と稚魚の放流を通じて自然の力や河川環境保護を学ぶ機会にしてもらいたいと実施しているもの。
この日は花館、内小友、四ツ屋、神宮寺の4小学校の2年生から4年生137人が玉川右岸に集まって、約5万尾の稚魚を次々と放流した。明日11日は、大曲東、大曲中央の両保育園、大曲南幼稚園の園児たちが丸子川で約2万尾を放流する。
市営水産ふ化場によると昨年秋に行われた玉川でのサケの捕獲数は平年並みの4643尾だった。サクラマスも33尾の水揚げがあった。メスは1491尾の捕獲で、ふ化場で243万2000粒を採卵、227万2000尾を育成した。しかも、ふ化場の給水設備の改修工事が行われた結果、従来より3割増の水量が確保された上、水産総合研究センターと県水産振興センターの指導もあって、大型稚魚の育成という成果を挙げ、回帰尾数の増加も期待されている。
一方、河川環境の変化や密漁などで年々、生息数が減少しているサクラマスは6万5000粒を採卵、その中から2万5000尾の放流と実績を残し、今後の増殖へ望みを掛ける。
午前10時半から行われた放流式で栗林次美市長は「この玉川でのサケの稚魚放流事業は120年も前から行われてます。今日、放流されるサケは玉川から雄物川を下って日本海に出た後、遠い北の海まで行き、3年から5年後にはこの川に戻ってきます。サケが戻ってくるためには川をきれいにしておかなければなりません」と河川保護を呼びかけた。県水産振興センターの杉山秀樹所長も子どもたちに「サケは君たちの故郷の大きな財産だと自慢していい。これから放流するサケは重さが1グラムしかないが、日本海からアラスカへと泳いで戻ってくると4000倍の大きさになって戻ってくる。サケはそれだけすごい魚なんです」と小さな授業を行った。
大きな枡の中で黒い集団となって泳ぐサケの稚魚を目にした子どもたちは「ウワー。すごい」と驚いていたが、漁業組合のおじさんたちからすくってもらい、持ってきたミニバケツに受け取ると嬉しそうに川岸に立った。そしてバケツの中で銀色に輝いて跳ねるサケの稚魚を見つめては「大きくなって帰ってきてね」と次々と放流。体長6センチほどの稚魚は、故郷の川の温もりや香りを確かめようとばかりに群れをなして泳ぎ始めた。