秋田内陸線トーク

存続に厳しい認識示す

知事、沿線住民と意見交換(4月26日・土)

  経営が危ぶまれている第3セクター鉄道の秋田内陸縦貫鉄道(秋田内陸線)の今後のあり方について沿線住民と寺田典城知事とが意見交換する「秋田内陸線トーク」が25日、北秋田市と仙北市、それに同線車内に乗り込んで行われた。仙北市角館交流センターでは沿線住民ら約50人が出席。住民からは内陸線の存続を望む声が次々と出たが、寺田知事は「待てば良くなるという状況ではない。何とかしたいが、このまま赤字を垂れ流していては大変だ」と存続には厳しい認識を示した。

  はじめに石黒直次仙北市長は「内陸線の再生計画を立てているが、思ったようには進んでない。市民の足として継続すべきか、観光中心に役立つような方向を深められるか有意義な意見交換の場としたい」とあいさつ。寺田知事も「忌憚のない意見を求めたい」とマイクを握った。

  出席した沿線住民からは「住民の足を奪わないでほしい」「秋田内陸線でなく、秋田観光鉄道に名前を変えるなどして観光に役立てるべきだ。沿線の風景は世界遺産までいかなくても豊かな自然がある」「内陸線を残すにはサポーターの支援も必要だ。西木ではカタクリ群生地で観光客から出してもらっている整備協力金の300円から、100円を内陸線に寄付している。今、そうした地域力が試されようとしている」などの意見や要望が出た。

  寺田知事は「残してほしい」との要望に対して「地元がどういう行動を取ってくれるかだ。でないと解決できない」と住民の協力を求め、北秋田市と仙北市の職員が率先して乗車するべきだとも訴えた。さらに両市の市長や市議会が全員協議会を開いて真剣に話し合うことも必要だとも強調。レールの老朽化にも触れ、「事故を起こしたらどうなるか。安全のためにも何とかしなければならない。お金をかけて残しても、誰も乗らないでは意味がない。赤字の垂れ流しでは大変なことになる」などと語った。

  中には全市民に乗ってもらうよう乗車券を買ってもらうべきでないかとの意見もあったが、石黒市長が「一時的なことをやっても長続きしない」と反対した。

  北秋田市の鷹巣と角館町を結ぶ延長94.2キロの秋田内陸線は、1989年に全線開通。開通時の利用者は100万人を記録したが、その後年々減少し、現在は半分以下に落ち込んでいる。そしてキロ当たりの利用者数、収支状況は全国3セク鉄道の中で最低クラスとなっている。このため毎年、2億5000万円から3億円の赤字が発生し、県と沿線3市村が毎年1億円以上を支出し、赤字分を補てんしている。存続するにしても毎年度の赤字に加え、安全対策工事のため9億円の追加負担も必要とされている。

  このため、今月21日の定例記者会見で寺田知事が「今より赤字が出るような状況では止めるべきだ」と発言したと報道され、周辺住民に危機感が広がっていた。