大仙市では10日に刈和野の大綱引き
湯沢市の犬っこ、横手市のかまくら、六郷の竹うち(2月1日・金)
| 写真は05年2月、本紙の表紙に使った横手市のかまくら撮影会のものです。 |
今月は小正月行事が県南各地で行われる。大仙市では10日に500余年の伝習となっている国指定重要無形民俗文化財の「刈和野の大綱引き」、仙北市では西木町上桧木内での「紙風船上げ」、そして11日には大仙市花館の「川を渡るぼんでん」、美郷町に伝わる国指定重要無形文化財の「六郷のカマクラ」もこの日から始まる。また、仙北市角館町の火振りかまくらは13日午後5時から桜並木駐車場で、14日は午後6時から同町内30カ所で行われる。湯沢市では500年前から伝わるというメルヘンな「犬っこまつり」が9、10の両日、同市中央公園で開かれ、横手市では15、16の両日、400年の伝統を誇る幻想的な「かまくら」が観られる。六郷のカマクラのメーン行事となる竹うちは15日だ。
刈和野の大綱引きは市神さまの「祭事」として町を上、下に分けて綱引きを行い、その年の市場開設権を争ったものから始まったと伝えられている。ワラで編んだ雄綱42尋(ひろ)=長さ約62メートル=、雌綱33尋=同約50メートル=、直径約80センチの大綱を引き合わせ、上下合わせて約6000人の群衆が引き合う勇壮な行事だ。
当日は午後7時ごろから綱の出し合いや押し合いを行い、雄綱と雌綱の合わせ作業が行われ、それが終わった瞬間の午後9時ごろに引き合いが開始される。7000束もの稲ワラを編み合わせた綱の重さは20トンとも言われ、「ジョヤサーノ、ジョヤサーッ」の掛け声に合わせ綱を引き合う祭りは迫力いっぱいだ。問い合わせは西仙北中央公民館内・刈和野大綱引保存会事務局(0187・75・1111)。
仙北市上桧木内の紙風船上げは江戸時代に平賀源内によって熱気球の原理を応用した遊びとして伝わったとされている。和紙を張り合わせて作った巨大な円筒形の紙風船に美人画や武者絵、願い事などを描いて夜空に飛ばすもので、光りを灯しユラユラと揺れながら闇夜高く舞い上がっていく姿は幻想的だ。午後6時ごろから8時半ごろにかけて100個余りが打ち上げられる。問い合わせは仙北市西木地域センター地域振興課観光班(0187・43・2244)。
大仙市花館の川を渡るぼんでんは嘉永年間(1845〜1853年)から伝わる冬の行事。当時の村の名主・斎藤勘左衛門が五穀豊穣を祈って始めたと伝えられ、県内に数ある「ぼんでん」祭りの中で川を渡るのはここだけ。
赤や紫、黄色の原色や花柄模様の布で飾ったカラフルなぼん天が若者たちの手に支えられ、川を渡る光景は冬の〃風物詩〃として人気があり、県内外から多くのカメラマンを呼んでいる。今年は昨年より1本少ない14本が雄物川の渡舟場から舟で渡って約1キロ離れた標高約200メートルの伊豆山神社に奉納する。ぼんでんは午前7時ごろから町内を回り、同9時半ごろには渡舟場に集まって川を渡り始める。
美郷町のカマクラは鎌倉時代から京都御所清涼殿の東庭で行われた天子の吉書焼き「左義長」の遺風を六郷の地頭二階堂氏が移したものと言われている。吉書が緑・黄・赤・白・青の色紙を継ぎ足し「奉納
鎌倉大明神 天筆和合楽」などと書いた「天筆」で、蔵開きの11日に町内の各小・中学校でその書き初めを行い、12日から青竹に下げて町内各地に飾る。すでに町観光施設の名水市場「湧太郎」玄関前にはその天筆が掲揚されムードを高めている。
15日までには鳥追い小屋と呼ばれる雪室が造られ、15日夜には子どもたちがその中で過ごす行事が始まる。そして同日午後8時10分から9時までに秋田諏訪宮前のカマクラ畑を会場に700人前後の男たちが南軍、北軍に分かれ、激しい竹うち合戦が展開される。竹うちは北軍が勝てば豊作、南軍が勝てば米の値が上がるとされ、バシッ、バシッと南北両軍に分かれた男たちがヘルメット姿で打ち合うのは勇壮だ。3回戦の間に使われる竹は3000本にも及ぶという。六郷のカマクラについての問い合わせは町観光協会(0187・84・0110)か、町商工観光課(0187・84・4909)。
角館町の火振りかまくらは縄にくくりつけた炭俵に火を点け、体の周りをグルグルと振り回して無病息災、家内安全、豊作などを祈願する小正月行事。火のついた俵を振り回すと「ゴォーゴォー」と音をたて、燃え盛る。見学者も自由に参加できる。問い合わせは角館駅前蔵(0187・54・2700)。
湯沢市の「犬っこまつり」は約390年もの歴史のある民俗行事。そのころ、白昼堂々と人家を襲う「白討(はくとう)」という盗賊がいて、湯沢の殿様がその一味を退治し、再びこのような悪党が現れないようにと、米の粉で小さな犬っこや鶴亀を作らせ、旧小正月の晩に家の入口や窓々にお供えして祈念させたのが、まつりの始まりとされている。駅前商店街には雪のお堂が作られ、夕暮れとともにローソクが灯される。そして湯沢市役所前の中央公園には雪で作った犬っこや雪のお堂も設けられ、子どもたちが詣でる姿は幻想的だ。問い合わせは湯沢市観光協会(0183・73・0415)。
横手市の「かまくら」は雪室のなかに水神様を祀り、子どもたちがその中で甘酒を飲んだり、餅を焼いて過ごす民俗行事。かまくらは高さ約3メートルの大きさで、子どもたちが観光客に「甘酒っこ飲んでたんせ」の呼びかけは心温まる。かまくらは市役所前などに約100個造られるほか、「蛇の先橋」下の川原や横手南小学校の校庭には高さ50センチほどのロウソクを灯したミニカマクラも造られる。問い合わせは横手市観光協会(0182・33・7111)。