川を渡るぼん天
14本が船に乗って雄物川を渡る(2月11日・月)
「川を渡るぼん天(ぼんでん)」で知られる大仙市花館の伊豆山神社奉納ぼん天祭りが11日、雄物川渡船場で行われた。ヴォーヴォーとほら貝の音が響き、手板を手にした男たちは「ジョヤサ!ジョヤサ!」の掛け声も勇ましく、渡船場に集まっては川船に乗って川を渡った。赤や紫、黄色、そして鮮やかな花柄模様の布で飾ったカラフルなぼん天が川面にその姿を映しながら渡る光景はまさに絵そのもので、冬の風物詩だ。県内外から多くのカメラマンが駆けつけ、盛んにシャッターを切っていた。
花館のぼん天は嘉永(1845〜1853年)のころ、当時の花館村の名主・斎藤勘左衛門が五穀豊穣や家内安全を祈って「ご神体」として伊豆山神社に奉納したのが始まり。県内に数ある「ぼん天」祭りの中で川を渡るのはここだけ。
祭りはこれまで2月17日だったが、平日では参加する若者が少なくなるばかりと伊豆山神社とぼん天実行委員会が話し合い、05年から祝日の11日とした。
今年は柳町や中町、中野など町内会や職場などから14本のぼん天が繰り出された。恵比寿俵とぼん天を担いだ男たちは午前7時ごろから各町内を回り、新築した家や厄年を迎えた家、商店などを回って、ぼん天を披露。「今日はナーエ、吉日ハーエ、日がらも良いしなにかナー」とぼん天歌を高らかに歌い、振る舞い酒を受け、手板を激しくぶっつけながら「ジョヤサ!ジョヤサ!」と気勢を挙げた。
そして10時過ぎから次々と渡船場に集合、船に乗って雄物川を渡った。この日は春を思わせるような穏やかな天候。渡船場前ではシャインプラザ平安閣が観光客にソバをサービス。そして花館いきいきビジョンも障がい者自立支援センター「ほっと大仙」の焼きそばカーを招いて、観光客に焼きそばや甘酒を無料で振る舞った。
カメラマンや観光客で渡船場は500人を超える群衆で賑わった。栗林次美市長や川を管理している国交省湯沢河川国道事務所の貫名功二所長も駆けつけ、観光客に餅播きを行うなど祭りムードは盛り上がった。さらに堤防から広い河川敷を歩いてぼん天が渡船場に着くとぼん天歌と板をぶっつけ合う音で活気づいた。1本のぼん天には20人前後の男たちが付き、歌を披露すると次々と船に乗って、幅約100メートルの雄物川を渡った。
川面には鮮やかなぼん天の姿が映った。川を渡ったぼん天は雪道を踏みしめ、標高約200メートルの伊豆山神社目指して急斜面を登山。神社で激しい揉み合いをしながらご神体を奉納した。