大仙市教育委員会文化財保護課

地域の郷土史研究家らと古文書悉皆調査へ

郷土の歴史を立証する史料をデジタル技術で保存(2月13日・水)
 

 大仙市教育委員会では、本年度から各地域に古文書調査員を委嘱し、郷土の貴重な歴史を語る古文書の悉皆(しっかい)調査を行っている。すでに仙北地域と西仙北地域ではボランティアとして登録した調査員が活動しており、今月中には中仙地域と協和地域でも調査活動が始まる。

  古文書は藩政時代の農民や庶民、そして武士を中心とした役所との関係などを立証する貴重な史料だ。年貢徴収のために行った農地の測量調査である検地、そして藩に収めた米の量や土地の流れ、さらには水利権の争い、自然災害などで役所に寄せられた様々な相談や苦情、冠婚葬祭など当時の生活が日記や証文などとして残されている。

  その数は膨大で、一部は郷土史研究家などの手で解読され、保存もされているが、多くは蔵の片隅で眠ったままとなっているのが実態。そうした貴重な資料が将来、火災や風水害で現物が失われてもブックススキャナを使用してデジタル映像化し、DVDなど記憶媒体に保存しておけば50年後、100年後の世代にも残せると市教育委員会と市文化財保護審議会委員らとの意見が一致。昨年4月、その準備のため各地域の文化財保護審議会委員や郷土史研究家ら9人を古文書調査員として委嘱していた。そして調査にあたっては、06年度で終了した「太田町史編さん事業」で培われた古文書の整理作業のノウハウを活かし、進めていくことになった。

  その調査員らが地域の人たちに活動を呼びかけた結果、仙北地域では20人がボランティア調査員として登録、西仙北地域では8人がメンバーとなって地域の旧家から寄せられた古文書の整理作業に当たっている。

  仙北地域では郷土史研究家で、古文書を解読する研究会を開いている黒澤三郎さん(81)=福田字落合=がボランティアの代表となって活動している。

  12日はその調査日で、活動場所になっている仙北ふれあい文化センター研修室に黒澤さんを含め7人が午前10時ごろまでに集合。ダンボール箱に詰められた古文書を一枚、一枚開いては史料名、成立年月日、作成者、内容などの情報を封筒に記入して袋詰めをした。

  黒澤さんは「今は地域住民から提供を受けた古文書を整理し、その総目録を作ることに専念したい。解読するには相当な時間もかかるので、その養成は仙北公民館の事業としてやっている教室で行いたい」と話す。寄せられた史料は古いものでは1600年代の延宝年間のものからあり、明治・大正、それに昭和に入ってからのものもある。

  整理のついたものは文化財保護課がスキャナで撮影し、マイクロフイルムへ転写も検討している。

  文化財保護課では「大仙市では『協働のまちづくり』『文化の薫りただようまちづくり』を標榜しているが、地域の人たちが郷土の歴史的史料を保存しようと力を合わせ、調査しているこの作業こそ協働のまちづくりの実践例になるのではないか」と誇る。