雄物川の管理に関する研修会
地方分権改革推進委の提言に反対の宣言(2月17日・日)
雄物川上中流改修整備促進期成同盟会(会長・栗林次美大仙市長)主催の「一級河川雄物川の管理に関する研修会」が15日、大仙市の大曲交流センターで開かれ、雄物川のような流域面積が広大な一級河川は、洪水予測・予防など管理に高度な技術力を要し、地方単独では対応できないとして「国が自ら管理者として責任を果たしていくこと」を宣言した。昨年11月に地方分権改革推進委員会が発表した「中間的な取りまとめ」に反対の決議を宣したもの。
研修会には雄物川流域の秋田市、横手市、湯沢市、羽後町、東成瀬村の各市町村建設関係職員や民間団体、大仙市議ら約150人が参加。
初めに栗林会長は「母なる川、雄物川は日々の飲み水、田畑の作物を潤す水、工業用水など生活や産業にとって恵みの川だが、洪水によって住民の財産、生命をおびやかす川でもある。その一級河川の管理を地方分権改革推進委員会の『中間的なとりまとめ』では都道府県管理とすべきと発表し、この秋には成案となるスケジュールだ。国家百年の計で考えなければならない河川の問題が大きな議論になっていない状況に地方行政を預かる立場から危機感を感じている」と訴えた。
続いて貫名(ぬきな)功二国交省湯沢河川国道事務所長が「一級河川雄物川の管理と地方分権」と題して講演。貫名所長は昨年9月17日から18日にかけての豪雨でも玉川ダムと堤防整備の効果で、雄物川中流部の浸水被害は1987年8月の洪水に比べ大幅に減少したなどと強調。そして洪水対策として同事務所が取った措置や洪水災害から国民の財産・生命を守るための予測技術や洪水に備えたシステムなどを説明しながら、「川の管理技術は本省、地方整備局、全国の組織で得られた技術的知見の蓄積と共有化が必要。一つの県だけでそのノウハウを蓄積するには無理がある」と地方分権改革推進委員会が示した中間的なとりまとめに疑問を呈した。
地方分権改革推進委員会は伊藤忠商事取締役会長の丹羽宇一郎氏が委員長を務め、井伊雅子一橋大学国際・公共政策大学院教授、作家で東京都副知事の猪瀬直樹氏ら6人が委員となって昨年4月に発足。「国主導の中央集権型の行政システムが、時代にそぐわなくなっている」との認識に基づいて、「中間的な取りまとめ」では▽医療▽生活保護▽幼保一元化▽義務教育▽道路▽河川▽農業?を重点事項に行政分野・事務事業の抜本的見直し・検討を提言している。
その中の河川では「治水は、地域で責任を持って行うべきで、河川災害に対処するためには市町村消防、消防団、水防団など現場組織が担う地域防災力によることが必要だ。ダムなど治水上重要な施設の管理や重大な被害の生じるおそれのある氾濫域を有する区間など河川管理面での重要性を考慮しても、上流から下流までの管理を一体として行う方が維持水準を高める事ができる」として「災害時に必要な場合にのみ国が支援すればよく、一つの都道府県内で完結する河川については、一級河川の指定区間外を含め、すべて都道府県管理とすべきである」としている。
講演の後の意見交換では「国の治水予算が年々減らされ、堤防の完成年度は延びるばかりで住民は危惧している。今回の中間的な取りまとめでは雄物川のような一級河川は都道府県の管理にすべきだとしているが、引き続き国に管理してもらうのが合理的で確実だ」との意見や現在、建設中の成瀬ダムについて「平成23年から本体工事に入るが、国から県管理になった時、工事費の確保や技術的な面で心配だ」など不安を訴える声もあった。
そして研修会のまとめとして一級河川は国が自ら管理者として責任を果たすことを宣言した。