栗林市長、施政方針演説
奥羽山荘、わらび座が営業継続へ(2月29日・金)
大仙市の08年度一般会計予算案などを審議する2月定例議会は29日開会、会期を3月19日までの20日間と決めた後、栗林次美市長が施政方針演説を行った。栗林市長は「私は平成17年4月、市民の支持を得て初代大仙市長に就任して以来、『市政は市民のために』を基本理念に情報公開や説明責任による開かれた市政の推進、職員が常に市民の目線に立ち、現場に足を踏み入れ、行政情報は分かりやすく提供する体制づくりなど『市民との協働のまちづくり』に向け、職員と共に汗を流しながら取り組んできた。新年度においてもその方針をさらに推進するため、自治会の育成や地域協議会の活性化、新たなまちづくりの担い手であるNPOやボランティアの育成・支援に努めたい」と述べた。
さらに財政状況の厳しさから、常勤特別職の給料については引き続き削減し、一般職の給与についても市民サービスの財源を少しでも確保するため、引き続き削減に協力を求めるため職員団体と話し合いたいとの考えを示した。
議会はこの後、秋田若すぎ国体終了に伴い組織が廃止されたことから議会委員会条例の一部改正を可決。そして専決処分報告4件と07年度一般会計補正予算、08年度一般会計予算など予算案43件、市税条例の一部改正など条例案33件など合わせて103議案を上程した。
議会は3月9日まで休会し、10日と11日に一般質問を行い、議案及び陳情2件を各常任委員会に付託。委員会審査を受け、19日に本会議で閉会する。開会中に議員の報酬並びに常勤特別職及び一般職の給与に関する条例案や1人空席となっている副市長の選任に関する人事案なども追加提案される予定だ。
栗林市長の所信表明演説の概要は次の通り。
◇主要課題について
▽社会福祉施設の法人化は、少子高齢化や人口減少、多様化する市民ニーズに対応するため、民間の能力の活用並びに臨時雇用者への安定した職場の確保などを目的に取り組むもので4月から特別養護老人ホーム1施設、保育所4施設及び幼稚園2施設の計7施設を新設の社会福祉法人「大仙ふくし会」、「大空大仙」並びに大曲保育会へ委譲する。
今後、新設法人への市職員の派遣や公立の施設を法人へ委譲する作業を進めるが、法人の経営が安定するまでは引受法人に対し、補助金や運転資金の貸し付け、法人運営開始初年度における運用財産としての寄付金など人的、財政的な支援を行う。
▽地域公共交通は人口減少や自家用車の普及により、乗合バス輸送人員がピーク時の7分の1以下まで落ち込み、当市でも3月末をもって生活バス9路線が全部、または一部廃止となる。このため国の地方再生モデルプロジェクトの採択を受け、4月からデマンド型(予約)乗合タクシーやコミュニティバスなどで各地域の中心部への足の確保を目的とした実証運行を実施したい。さらに有償ボランティアの活用など新たな手法も検討したい。
▽市の温泉施設について。太田地域の奥羽山荘は赤字経営が続き現在、運営している第三セクターでは経営が困難と取締役会で判断された。しかし、真木真昼県立自然公園の中核的施設であり、年間4万5000人以上が利用する温泉施設であることから、観光施設として、健康増進施設として残すことが出来ないかと模索した。その結果、劇場などを経営し、農家民宿や修学旅行の受け入れなど都市部からの高い集客力を持つ「株式会社わらび座」と連携し、一定期間、一定額の支援をしながら施設を無償譲渡し、温泉施設として営業の継続を求めた結果、協議が整ったところであり、議会の承認を得ながら譲渡作業を進めたい。
わらび座では4月以降、同施設をリニューアルする予定だ。また、西仙北地域のユメリアについても今後の活用について検討すると同時に新たな指定管理者の募集など様々な角度から運営の可能性を模索したい。
◇安心して健やかに暮らせるまちづくり
▽健康福祉分野について=保健・医療の充実では医療制度の改革に伴い、これまでの基本健診が特定健診として保険者に義務づけられたが、新たな制度の実施について、これまでの各種健診事業と同様に着実に取り組みたい。
▽自殺予防については各保健センターでの相談、市民を対象とした研修会の開催、街頭キャンペーンなどでの啓発及び関係機関・団体を構成メンバーにネットワークの構築などを推進する。
▽子育て支援の充実では、妊婦健診を妊婦歯科健診も含め16回すべて無料で実施し4年目を迎えたが、転入してきた妊婦の方からも助成回数が多く、安心して出産・子育てできると好評であり、継続して実施したい。
子どもを取り巻く環境が変化していることから、地域で世代間を超えた子育て支援を行う「大仙市ふれあいセンター」を西仙北地域に開設する。放課後児童クラブは、大曲地域の四ツ屋地区と大川西根地区に新たに新設する。さらに地域住民が主体となり、世代間交流などの促進と自治会による子育て、地域づくり活動を推進するため「市民協働型子育て支援モデル事業」を創設する。
保育環境の整備については、支援を要する児童のための保育アドバイザーを設置するとともに、市内の法人立保育園で保育支援員を配置する費用の一部を助成する。
大曲乳児保育園は昭和46年の開設で既に36年が経過、老朽化が著しいことから住吉町地内の市有地に移転改築を、大曲中央保育園は入園時の増加に伴い保育室の改修を行うため、大曲保育会に助成する。
障害者福祉の充実では、障害者自立支援サービスに係る国の軽減措置の対象外とされた施設入所者に対し、引き続き市独自の軽減策として利用料負担上限額の半額を助成する。
大曲仙北広域市町村圏組合が経営している知的障害者支援施設「後三年更生園」は4月あから、新たに設立される社会福祉法人「水交会」へ経営が移行されるが、引き続き関係市町と支援する。
◇未来を創り心豊かな人を育むまちづくり
▽学校生活支援員については市単独で40人を配置し、学校生活や学習活動において様々な課題を抱えている子どもたちに一層、効果的な支援を行う。
▽神岡幼稚園保育園一体型施設は、病児・病後児保育の機能を加えた施設、外構工事も含め10月末までに完成させたい。
▽大曲中学校体育館の改築は、平成21年度に実施設計を行い、着工したい。
▽公民館など生涯学習施設は老朽化が進んでいることから、年次計画で補修を行い、適切な管理に努めたい。
◇活き活きと希望を持って活躍できるまちづくり
▽水田経営所得安定対策に基づき、地域振興作物の作付け拡大を推進するため、出荷を目的とした野菜栽培への取り組みへの助成と燃料菜の花の作付け実証事業を実施する。
▽林業振興については、森林所有者の意欲を高めるとともに地球温暖化や災害防止機能など森林の有する多面的機能を発揮するための造林、間伐、保育事業や森林整備地域活支援交付金事業を支援し、秋田スギの安定供給を図りたい。
▽市内の各商店街や地域の商店に対する支援では、購買意欲を高め、買い物客の利便性向上のため、新規開店を促す補助制度や商店街の環境整備事業補助による活性化を図る。また、複数の商店グループが実施する地域商店の魅力向上と消費拡大を図るための商業活性化事業にたいし、引き続き支援する。
▽神岡地域が「秋田県新規工業団地」の最適地との評価を受けており、大規模工業団地の実現に向け、県に対し強く要請する。同時にインフラ整備などを含め、計画・設計、役割分担などを県と協議したい。
▽全国花火競技大会については実行委員会が中心になって2年後の100周年記念大会に向けた企画・運営方法などが検討されている。市としては花火の伝統文化を後世に継承することを目的に、花火に関する資料を収集する「花火伝統文化継承事業」を実施する。
◇生活の基盤が整ったまちづくり
▽地方道路交付金事業については、国道13号と美郷町六郷地区を結ぶ「古四王際飯詰線」、西仙北ICから田沢湖・角館に通じる「黒森山線」、中仙地域の清水地区から国道105号に通じる「中仙4号線」を引き続き整備する。秋田新幹線に架かる西仙北地域と協和地域の3つの跨線橋の耐震補強も継続して実施する。
道路維持管理については、厳しい財政だが管理費及び交通安全施設整備費を増額し、道路の面積及び延長の割合を基準に各地域の状況を考慮し配分する。また、道路新設改良費は合併3カ年の道路予算の割合や市道延長の割合、市道のうち未改良延長の割合を基準に個々の路線の必要性や緊急度、地域の状況を勘案し配分する。
◇環境と調和し快適で安全に暮らせるまちづくり
▽仙北ふれあい公園整備事業の(仮称)新仙北体育館の建設を進めたい。また、飯田沼つり公園の護岸、南外ふれあいパークのトイレ及び駐車場の整備を市単独で実施する。
▽4月から家庭ごみの有料化を実施するが、ごみの減量化対策として食品トレイ回収を全地域に拡大するとともに家庭で使用する生ごみ処理機購入費の補助限度額を2万円から5万円に引き上げる。また、ビン・缶・古紙類など資源ごみの回収に取り組む町内会、学校及び各種団体を支援する。ごみの不法投棄については、その未然防止や早期発見のため監視カメラの設置や監視員の見回り強化などを実施する。
▽旧ごみ処理場跡地については、マテリアルリサイクル推進施設整備事業としてストックヤードの建設を計画しており、旧ごみ処理場解体のためのダイオキシン類調査と解体撤去の設計を行い、平成21年度から22年度に建設を予定している。(※マテリアルリサイクルは廃プラスチックをさまざまなプラスチック製品として再生利用すること)
▽防災については、県消防協会大仙市仙北市美郷町支部と共催で8月29日に神岡地域で地震や火災を想定した総合防災訓練を予定している。また、緊急消防援助隊北海道・東北ブロック合同訓練が、雄物川大曲運動公園を会場に10月15日から16日にかけて開催される。この訓練は、大規模災害活動時における緊急消防援助隊の技術及び連携活動能力の向上を目的に総務省が主催し、全国の自治体並びに消防機関が協力して実施しているもの。
北海道、東北、新潟県の8道県の消防職員をはじめ自衛隊、警察、病院関係、医師会など650人の参集が予定されており、消防車、救助工作車などの関係車両約200台、防災ヘリコプター10機以上が参加する大規模な訓練となる。当日は多くの市民や防災関係者、小・中学生にも参観を呼びかけ、防災意識の向上を図りたい。
◇仲間とふれあいともに活躍できるまちづくり
▽地域情報化の推進として南外地域の荒沢地区の移動通信用鉄塔整備事業、大曲地域の内小友中山・小出沢地区のテレビ共同受信施設設置事業を実施し、情報通信の格差是正を図りたい。
▽10月9日から12日までの日程で、国際アジア民俗学会の「アジアにおける稲作文化」をテーマにした研究発表が本市で開かれる。日本を含む東南アジア約8カ国から日本の大学生ボランティアを含め約60人が参加する。国際会議開催は本市にとって初めてであり、運営方法について現在関係機関と協議を進めている。この学会に合わせ、地域の郷土史家の研究発表を行う郷土文化再発見事業の開催と国際理解・協力について市民の理解を広げるためのワークショップやブースなどを設置したい。
▽地域振興事業、いわゆる地域枠予算は平成20年度も実施する。自治会活動への支援は「市民との協働のまちづくり」の基礎となる自治会の育成との視点から継続する。
▽小規模集落(限界集落)コミュニティ対策事業として、コミュニティ機能の低下が懸念される小規模集落などの現状と課題について調査検討を行い、コミュニティ機能の再生・活性化の指針と支援策を検討したい。
▽国が新たな制度として創設を予定している「ふるさと納税制度」について、本市出身者をはじめ多くの人々に大仙市の応援団となってもらうための作業を進めたい。
▽市の活動の記録や歴史の事実を後世に伝えるための歴史資料として重要な公文書などの保存のあり方を検討する「アーカイブ構想策定事業」に着手する。