医療救護関係者が机上訓練
大仙市で地震発生、大規模な被害想定に(1月12日・土)
大仙市で11日午前5時46分ごろ、マグニチュード7.2の地震が発生、同市と仙北市、美郷町、横手市などで震度5から6強の揺れが観測され、大曲横手盆地を中心に大きな被害が発生しているなどを想定に同日、県仙北地域振興局福祉環境部会議室で「医療救護関係者合同机上訓練」が実施された。災害時における健康被害を想定し、被災地での医療救護活動をどう効率的に進めるかなどを狙いとした「健康危機管理ネットワーク構築事業」の一環として行われた。同管内の災害拠点病院、協力病院の医師、それに歯科医師、看護師、保健師、薬剤師、警察官、広域消防本部署員など関係機関から34人が出席、3グループに分かれて専門的な立場から意見交換した。
訓練は被災後「24時間以内」「72時間以内」「1週間以内」「1カ月以内」「1カ月以降」の5場面を想定し、国立保健医療科学院人材育成部の橘とも子室長を進行役に、県知事公室総合防災課の豊田五郎防災監を助言者として迎え、進めた。
各グループには地震発生から24時間以内、72時間以内と言った時間経過ごとに想定した被害状況のシミュレーションが渡され、グループ代表がそれを朗読。参加者全員が共通の情報を認識した上で、その時点で起こりうる問題点、マニュアルの改善点、平常時にどんな備えが必要かを話し合った。
被災から72時間以内に把握した被害状況は死者250人、負傷者2500人、家屋損壊620棟、大仙市、美郷町で発生した火災は鎮火したものの水道、電気、電話などライフラインはストップし、約3万250人の避難住民が出ているなどとされた。
各グループはシミュレーションに書かれた被害状況に目を通し、出席者が所属する病院などの施設や消防、警察、行政機関として行わなければならないこと、問題点と対策などを討議。そして気づいた点など、それぞれの場面ごとに発表された。
管内では大仙市の仙北組合総合病院と仙北市立角館総合病院が災害時における拠点病院となっており、大仙市花園病院と仙北市立田沢湖病院は災害協力病院となっている。
それぞれのシミュレーションごとに討論が行われた結果、拠点病院であっても災害発生直後の救助活動への対応は困難であり、拠点病院以外でも対応できるシステムを考えるべきでないか、避難所や救護所を設置してもそれを知らせる手段が大事であり、消防団の協力体制を整える必要があるなどの意見があった。
警察からは「交通網の確保が第一であり、それを確保しないと人的にも物質的にも支援ができない」「多数の犠牲者が出た場合、遺体安置所の確保や死体検案のための医師の確保、行方不明者への対応などが大きな課題となる」との問題提起もあった。
そして災害から1週間、1カ月以内と時間経過によって死者数は最終的に438人と増加、負傷者も7931人、避難所生活者は4万7519人と想定。ボランティアによる救援活動も始まるが、避難所生活者のし尿処理、さらにライフラインの寸断による手洗いができないなど衛生状態も最悪となり、インフルエンザなどの伝染病対策、仮設トイレの増設、さらには倒壊した家屋の解体・撤去工事での粉じんやアスベストの飛散など、二次災害の懸念も広がる。
各グループからは「災害から1週間から1カ月過ぎると落ち着いてくると思うが、災害医療とかけ離れた問題が多くなってくるのではないか」「犠牲者を減らすためにも負傷者や高齢者など災害弱者への対応が大事になってくる」「避難所で生活する人たちへの精神面のケア、冬場の災害だけに温かい食事の提供、アレルギー体質の人への食事の対応なども考えなければならない」などさまざまな意見交換が行われた。