大仙市で国重文「古四王神社」の防火訓練
餅つき、雪中田植えなど祭りを通して防火意識を高める(1月20日・日)
大仙市大曲の国指定重要文化財「古四王神社」で20日午前10時半から「古四王堂火消しもちまつり」が行われた。大曲消防署、地元消防団、それに古四王神社婦人消防隊、東大曲小全児童81人で結成する高畑少年消防クラブが、大切な地元の宝を守ろうと放水訓練を行った後、雪中田植えや餅つきなどを楽しんだ。
まつりは54回目を迎えた国の文化財防火デー(1月26日)に合わせて行っているもので、今年で21回目を迎えた。訓練を見守ろうと神社境内には子どもたちの保護者や来賓合わせ300人を超える人が集まった。
開会式で三浦憲一市教育長は「古四王神社は室町時代末期の元亀元年、1570年に建築されて以来、今日まで幾多の戦火を逃れ、台風や地震など自然災害にも耐えてきた貴重な文化財である。その神社を守ろうと婦人消防隊も結成され、地域住民が一体となって災害に備えてきた。そして今では東大曲小学校の学校行事との連携で、文化財防火はもとより郷土学習の場としての広がりを持つ祭りとして受け継がれてきた。この事業を大切に継承していきたい」とあいさつ。
続いて市教育委員会文化財保護課が、国の補助を受けて更新された同神社の防災設備の概要を説明した。同課によるとこれまでは本殿前の拝殿に設置されている火災感知器が感知すると隣接する2軒の民家の非常ベルが鳴って、消防署に通報するシステムになっていたが、新しい設備では本殿・幣殿・拝殿にも感知器が設置され、火災発生と同時に自動電話で消防署と登録者15軒に通報。消防車が駆けつける前に登録者が消火器や放水銃を使って初期消火に当たることが可能になった。人手を介さずに二重三重に通報の迅速化を図ったもので、老朽化していたポンプも更新されたという。
こうした防災設備の説明を受けた後、婦人消防隊6人と少年消防クラブの4人、そして地元消防団の8人が、「神社から出火した」を想定に8カ所から放水訓練を実施。サイレンが鳴る緊張感の中、婦人消防隊も子どもたちも消防団の放水に負けまいと真剣な表情で放水筒を握って放水していた。
見守っていた高橋庄孝大曲消防署長は「自分たちの大切な文化財を守ろうとする意識の高い訓練だった。こうした防災の輪をこれからも広げよう」と講評。最後に高畑少年消防クラブの佐々木美咲さん(東大曲小6年)が「国の重要文化財である貴重な私たちの宝物を守り続けて行きます」と誓いの言葉を述べて訓練を締めくくった。
そして神社前の広場で東大曲小6年生13人が雪中田植えを実施して豊作を祈願。さらに緑・黄色・赤・白・青の色紙を細長く貼り合わせ、「成績が良くなりますように」などと願い事を書いて竹竿につり下げた天紙焼きを行い、広域消防本部の消防太鼓隊6人が演奏する勇壮な「火伏太鼓」に合わせ、餅つき大会を行って冬の半日を楽しんだ。
同市では26日午前10時からは協和地域の文化財防火デーとして唐松神社境内で、27日午前10時からは秋田県内唯一の国宝「線刻千手観音等鏡像」が祀られている中仙地域の水神社で文化財防災訓練が行われる。