子育て支援ネットワーク構築に向けて
臨床心理士の秋山さんが講演、栗林市長らが話し合う(3月4日・火)
大仙の子どもを守り育てるためのシンポジウム「聞こえますか?子どもたちからのメッセージ〜効果的な子育て支援ネットワークの構築に向けて〜」が4日、同市白金町の大曲エンパイヤホテルで開かれた。市民交流プラザのびのびらんどが独立行政法人福祉医療機構「長寿・子育て・障がい者基金」の助成を受けて主催した。
シンポジウムには保育園や小中学校の先生たち、福祉関係者ら約130人が出席。主催者を代表して杉沢千恵子市議は「子どもたちが健やかに育つ環境をつくりたいと昨年からセミナーを開くなど勉強したり、保育の現場や子育て最中のお母さん、子どもたち自身からも悩みを聞いてきた。そして専門の方々を中心としたネットワークを作ろうと思った。今日はそのネットワーク作りに向けての話し合いをしたい」と趣旨を語った。
そして臨床心理士で、秋田県スクールカウンセラーとして、「子どもの身体が語る心のサイン」など多くの著書がある秋山邦久さん=秋田市=が基調講演。続いて秋山さんをコーディネーターに仙北市教育委員の千葉勇さん、元おおた保育所長で不登校児童・生徒を支えるボランティアグループ「虹」の代表・高橋勝子さん(大仙市太田町)、小児科医・伊藤晴通さん(刈和野)、栗林次美大仙市長がシンポジストとなって話し合った。
秋山さんは「子どもが問題を起こした時、どこへ相談したらいいのか。不登校の原因も様々で、対応するには一人では出来ない。学校や地域、福祉事務所の児童相談所、警察などとの連携が必要だ」と強調。
その連携を深めるには「お父さん、お母さん、子どもさん、学校の先生たちを皆で支えていくネットワークを作るのが大事。しかし警察、児童相談所、学校とが連携したからと言っても現場で働いているカウンセラーは機能しない。警察の協力がほしい、あるいは児童相談所と相談してみたいと思った時、うまく行くのはそこの組織で働いている人の顔を知ってるかだ。この顔見知りであることで連携もスムーズに行く」とアドバイスした。
そして連携に必要な問題としてコーディネーターとなる人が必要だとも訴えた。コーディネーターは、様々なケースの主担当者となり、すべての情報を把握し、子どもの幸せに向かって動くために学校、民生児童委員、お父さん、お母さんたちにやるべき役割を指示し、調整するもので、その専門的なコーディネーターの育成を呼びかけた。
さらに不登校の子どもたちはきちんと原因を見立て、コーディネートすると自立するとも述べ、先生たちの子どもへの対応をアドバイスするスクールカウンセラーの役割の大切さも訴えた。
シンポジウムでは伊藤さんが「学校医の中には不登校の問題にも参加したいと興味を持っている人もいる。年1回だけの健康診断を求めるだけでなく、相談してほしい」と訴えた。ボランティアグループの高橋さんは「子どもが友だちに向かって〃死ね〃なんて言ういうことは私たちの子どものころには考えられないことだ。そう言うことを何度も言われたら、本当に死にたくなってしまう。そうした心を傷めた子どもいかに支えてやるかが大事。手を取り合って支援のネットワーク作りを進めたい」と訴えた。
仙北市田沢湖の神代中学校は2000年に文部科学省からスクールカウンセラー派遣校の指定を受け、3人のカウンセラーを受け入れた。その結果、不登校の子どもたちの解決などの効果を認めた当時の旧田沢湖町では翌年から町単独で5人分のカウンセラーを配置した。その時の教育長だった千葉さんは「町としてはカウンセラーが活動しやすいような環境に一番、配慮した」と報告した。
栗林市長は「市内の高校の卒業式には可能な限り出席している。それが大仙市の子どもへのスタンスであり、市としては子育てを含め学校には最大限の予算を活かしている。学校生活支援員を昨年までは33人だったのを40人に増やしたのもその一例だ」などと述べ、子育て支援を強調した。そして福祉事務所の児童相談機能のレベルアップのためにも専門家との連携を深めたいとも述べた。
秋山さんは「大人たちには子どもをきれい過ぎる環境で育てようとしている面がある。生きる力を身につけるにはもっとドロドロしたものも大事。事件が起きると『あのいい子がなぜ』と驚くが、純粋培養で育てるべきでない」とアドバイスしていた。