大仙市で古文書テーマに講演会

門屋養安日記の茶谷さん

アーカイブズ構想に強い期待感示す(3月11日・火)

  大仙市教育委員会文化財保護課ではこのほど、「古文書調査に期待するもの」と題して古文書調査研究事業講演会を開いた。同市では市内に残された古文書など、地域の歴史の伝承に必要な史料の収集と悉皆(しっかい)調査を行っており、古文書の果たす役割などを民族芸術研究所前理事長・茶谷十六さん=たざわこ芸術村=と県公文書館古文書班の畑中康博さんを講師に学ぼうと企画した。

  講演会は大曲交流センターで開き、郷土史研究家ら約60人が参加。茶谷さんは江戸時代末期の院内銀山(現・湯沢市)で医師として活躍した「門屋養安日記」の解読を手がけている。その日記の解読に当たって茶谷さんは、一文字検索や史料を項目順に並べ替えたりできるパソコンが日記の分析や研究に大きな力を発揮したと強調。

  そして市町村制が施行された明治22年(1889年)以降の行政文書が、昭和の大合併の際に全国的に廃棄されたことを引き合いに、平成の大合併を契機に再び、貴重な行政文書が大量に廃棄される可能性があると警鐘を鳴らした。

  その上で06年度(平成18年度)で終了した旧太田町の町史編さん事業に携わったことに触れ、町史編さんでは地域史料の悉皆調査を進めるため「伝えたいことがある、知りたいことがある」をスローガンに住民の協力を得られたことが大きな実績につながったと語った。太田町史編さん事業では、史料目録、史料撮影などデジタルデータ化を図り、住民が利用しやすい環境を整えるなど最先端の自治体史の編さんで「太田方式」として県内の歴史研究家たちからも注目されたという。

  畑中さんは大仙市の古文書調査研究事業が住民のボランティアで行われていることは全国的にも珍しいケースだと絶賛し、「国及び地方公共団体は、歴史史料として重要な公文書の保存及び適切な措置を講ずる責務を有す」という公文書館法に則った重要な活動だと語った。

  そして茶谷さん同様、大仙市が実施しようとしている公文書や古文書を公開目的に保存管理しようとする「アーカイブズ構想」に「ぜひ、成功してもらいたい」と強い期待感を寄せた。

  2人の講演の後、市から調査員の委嘱を受け、古文書悉皆調査ボランティアグループのリーダーとして活躍している仙北地域の黒澤三郎さんと西仙北地域の佐藤好攻さんが事例報告した。