2人目の副市長に山王丸氏選出
奥羽山荘、わらび座への無償譲渡も同意(3月19日・水)
大仙市の2月定例議会は19日、本会議を再開、上程されていた専決処分報告4件と07年度一般会計補正予算、08年度一般会計予算など予算案43件、市税条例の一部改正など条例案33件、それに議決を求める単行案23件の合わせて103議案を原案通り可決、承認、同意した。また、この日、議員報酬及び市長ら特別職、一般職の給与の減額に伴う条例の一部改正、第3セクターが経営している奥羽山荘を、株式会社わらび座(仙北市)に無償譲渡し、営業を継続してもらうための山荘廃止条例と財産の譲与、無償貸与、そして07年度一般会計補正予算、08年度一般会計補正予算、空席となっている2人目の副市長の選任の13議案を追加提案。審議の結果、条例案など12議案は原案通り可決、現・県由利地域振興局長の山王丸愛子氏(60)=秋田市広面字碇=を副市長とする人事案は投票の結果、賛成多数で同意した。そして民法第772条の嫡出推定に関する運用の見直しを求める意見書など3つの意見書を可決して閉会した。
特別職の給与は市長13%、副市長11%削減の継続で、議員報酬は議会からの申し入れもあって、これまで5%カットだったのを7%に引き上げて減額するもの。いずれも財政状況の厳しさからの措置。一般職の給与についても昨年同様、職階に応じて1.5%から3.5%カットの継続を求め、職員組合と交渉したが、削減率をそれぞれ0.25%緩和し、1.25%から3.25%とすることで妥結、この日の提案となった。
これによって市長は97万2000円だったのが、12万7000円の削減継続で84万5000円に、副市長は76万7000円だったのが、8万5000円の削減継続で68万2000円になる。常勤監査委員も62万3000円を7%削減継続で57万9000円に、教育長も69万1000円だったのを8%削減継続で63万5000円となる。 議員報酬は議長が現行51万円が47万4000円に、副議長は現行46万6000円が43万3000円に、議員は現行43万2000円が40万1000円となる。
また、一般職は1.25%削減で月平均2400円、3.25%削減の課長級以上の幹部職員は月額約1万2000円平均の減額となる。いずれも4月1日からの実施。これら人件費の削減によって08年度は1億5860万円の財政節減になるという。
07年度一般会計補正予算は補正額が7700万円で、補正後の累計額は464億2968万4000円となる。補正は奥羽山荘譲渡に伴う債務負担行為の設定で、山荘を核とした観光事業推進のため譲渡先のわらび座へ08年度から2014年度までの7年間、毎年2000万円を支援するもの。また、09年度から2013年度までの5年間、固定資産税額の2分の1を支援する。
奥羽山荘は赤字経営が続き現在、運営している第3セクターは経営が困難と取締役会で判断。しかし、真木真昼県立自然公園の中核的施設であり、年間4万5000人以上が利用する温泉施設であることから、観光及び健康増進施設として残すことが出来ないかとわらび座への営業継続を求めて協議。わらび座は劇場などを経営し、農家民宿や修学旅行など都市部からの高い集客力を持っており、一定期間、市からの支援などを条件に施設の無償譲渡を受け入れた。わらび座では4月以降、同施設をリニューアルする予定だ。また、同山荘に隣接する太田ふれあいの里及び太田農村体験の里も一体的に管理することで、観光施設としての相乗効果が期待できるとし、両施設の管理もわらび座を指定管理者として指定する議案も追加提案、可決された。
実際の補正額7700万円は除雪出動回数の増加に伴う委託料の補正だった。
08年度一般会計補正予算は3433万9000円で、補正後の累計額は413億555万3000円となる。補正による事業は奥羽山荘の譲渡に伴う長期債元金の繰上償還金の補正で1433万9000円、そして同山荘の譲渡に伴う09年度分の支援金2000万円。
空席となっている副市長人事提案に当たって栗林次美市長は「山王丸氏は現在、秋田県の職員で総務、人事、男女共同参画、福祉など幅広い経験を経てここ数年は市町村に最も身近な地域振興局の要職を務めており、市町村行政にも明るく、副市長として県との連携を強め、多くの行政課題に対応し、市勢発展に貢献できる人材と確信している」と同意を求めた。
採決を求めた結果、無記名投票となって議長を除く出席議員27人(1人欠員、1人退席)が投票。賛成18、反対9の賛成多数で山王丸氏の副市長就任が決まった。
栗林市長は久米正雄副市長との事務分担について、久米氏は農林商工部、建設部、水道局、市立大曲病院に関する事務、並びに教育委員会の施設管理などハード部門及びその他の行政委員会に関する事務とし、山王丸氏には市民生活部及び健康福祉部に関する事務、並びに教育委員会のソフト部門に関する事務を主に担当してもらうとの方針を示した。さらに重要または異例な事務並びに総務部及び企画部に関する事務については共同で処理してもらうとしている。
この他、この日の議会では県高齢者医療広域連合議会議員の補欠選挙も行われ、投票の結果、大仙市議長の大坂義徳氏18票、秋田市議の加賀屋千鶴子氏7票、無効4票で大坂氏が選出された。
可決された意見書は次の3件。
▽民法第772条の嫡出推定に関する運用の見直しを求める▽地デジ放送の受信対策の推進を求める▽中小企業底上げ対策の一層強化を求める。
民法第772条の嫡出推定に関しては=「婚姻の解消若しくは解消の日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」と「嫡出規定」の規定を定めている。意見書では「元々は法律上の父親をはっきりさせて子どもの身分を早期に安定させるために規定されたものだが、離婚・再婚をめぐる社会情勢の変化などもあり、この規定は時代に合わなくなっている」とし、子どもの人権を守るため、離婚前妊娠であっても社会通念上やむを得ないと考えられるものについては現在の夫の子として出生届の提出を認めるなど、嫡出推定の救済措置を拡大するよう要望しているする。
山王丸愛子氏=横手高校卒、1968年(昭和43年)4月、県職員に採用され、総務課考査員、子育て支援課長、秋田市域振興局総務企画部長を経て07年4月から現職で、今月いっぱいで定年退職する。