楽器まつり演奏会開催
伝統の全校音楽と感動のミュージカルを披露(11月3日・月)
全校音楽で知られる大仙市大川西根小学校(鈴木恒久校長・児童数74人)の「第38回楽器まつり演奏会」が2日、中仙市民会館ドンパルで開かれた。子どもたちの元気な歌声、演奏を楽しみたいとお父さん、お母さんだけでなく西根小の音楽ファンも詰めかけ、532席のホールはほぼ満席になる盛況さだった。
同校の全校音楽は1961年にスタートした。山間(やまあい)の子どもたちに音楽を通して自信を持たせたいと当時、音楽を担当していた後藤昭三元同校長(80)=日の出町=の発案で生れた。それからもう半世紀近くに。西根小の音楽活動は入学を待つ幼児たちに憧れを抱かせ、地域住民の誇りにもなっている。同校の音楽活動に理解を示し、支え役となっている地元企業の秋田振興株式会社(小原将司郎社長)からは今年もバイオリン2基が寄贈された。
開会式で鈴木校長は「38回目という歴史と伝統に育まれた楽器まつりを迎えた。子どもたちは夢を叶えた演奏会にしようと一生懸命に音楽活動に取り組んできました。今日はその成果をお見せします。子どもたちの演奏する力、演技する力、歌の力を楽しんで下さい」とあいさつした。
演奏会は創立110周年記念で作られた「はばたきマーチ」で幕を開けた。4年生から6年生34人が演奏するオーケストラのリズムに乗ってピアニカを手にした1、2年生、リコーダー(縦笛)を手にした3年生が登場する。全員がそろった演奏と合唱はホールいっぱいに響いた。
ランランラン、ラララランランランのハミングで始まるタイケの「旧友」、そしてミュージカル映画「サウンド オブ ミュージック」。小学生とは思えないようなオーケストラの安定した旋律に合わせ、大きな口をいっぱい開けて歌う子どもたちの合唱は、映画の舞台となったアルプスの山々、青い空、白い雲をよみがえらせた。
合間には元同校の校長を勤め、この春に仙北中学校を最後に教職から退職した「倉橋正伸先生ありがとう演奏会」もあった。倉橋さんは33年前に同校に赴任、全校音楽の指導に力を発揮し、子ども音楽東北コンクールで最優秀賞を飾っている。当時の子ども3人が登場し、感謝の花束を贈呈した。
「あのころの子どもたちの顔が一人ひとり目に浮かんできます。教職として私は子どもたちに生かされていたんだなと思います」と思い出を語った。そしてタクトを執って校歌「われらが母校」を指揮した。演奏会の最後には新曲として取り組んだエルガーの行進曲「威風堂々」を迫力いっぱいに演奏し、全校音楽と言う伝統の力を発揮した。
休憩を挟んで披露されたミュージカルは「ぼくらの音をさがしに」。ミュージカルは今年で17回目になる。子どもたちは「オルゴールの木」がある美しい森を舞台に、キツネとリス、ウサギを主人公とした動物たちの交流を通じて「生命のつながり」の大切さを語った。
秋田市で親子ミュージカルを指導している佐藤修三さんが今年も演技、指導を協力。昨年暮れから今年3月にかけて6年生9人が物語のテーマについて話し合い、4月の東京への修学旅行で本物のミュージカル「ライオンキング」を観劇し、表現力を勉強した。
そして5、6年生の手でオリジナルの脚本と作詞・作曲を仕上げ、夏休みに入って歌や踊り、台詞の練習を始めた。オーケストラは子どもたちだけの人数では足りないため、同校の音楽の先生だった人や大曲西中学校の先輩たちの協力ももらった。劇の面でも足りない分はお母さんたちが登場して舞台を盛り上げた。さまざまな人と人とのつながり、協力でミュージカルは完成し、披露された。約1時間。子どもたちは舞台いっぱいに演技し、歌い、踊った。その凝縮された1時間は観客に感動を与え、終わると大きな拍手が鳴りやまなかった。そして「さようなら、さようなら」の合唱で幕を閉ざした。