県南の小正月行事始まる

犬っこまつり、そしてかまくら(2月15日・日)

 雪国を彩る県南の小正月行事が始まった。14日夜からは湯沢市の「犬っこまつり」が、15日夜からは横手市の「かまくら」が、そして同夜には六郷町の国指定重要民俗文化財「カマクラ」の中心行事「竹打ち」が行われる。

 14日夜、湯沢市と横手市を歩いた。湯沢市役所後ろの市中央公園には38組の「お堂っこ」や 「犬っこ」の大きな雪像が作られ、ライトアップされていた。夜の闇に浮かぶ真っ白な雪像は童話の世界に飛び込んだようなメルヘンなムードいっぱいだった。

 約360年もの昔から続いているという民俗行事。そのころ、白昼堂々と人家を襲う“白討”という大盗賊がいて、湯沢のお殿さまがこれら一味を退治し、再びこのような悪党が現れないようにと、米の粉で小さな犬っこや鶴亀を作らせ、これを家の入り口や窓々にお供えして祈念させたのが始まりという。

 公園につくられた巨大なお堂や犬の像。市内の企業や学校などが200台の大型ダンプで雪をかき集め、1週間前から準備を始めたという。湯沢市商工観光課では「昨年は2日間で24万人の観光客を呼んだ。今年は雪も多かったので、雪像の出来具合もいい。天候にもよるが昨年を上回る人出になりそう」と期待していた。

 観光客は雪のお堂に祭られた神棚の前に立ってそれぞれの胸の思いを祈願した後、記念写真を撮ったり、子供たちはたくましい犬っこの像にまたがってはしゃいでいた。商店街のアーケードにも小さな雪のお堂が立ち並び、湯沢市は2日間、シットリした雪祭りムードに包まれる。

 一方、横手市のかまくらは15日からだが、14日夜もあちこちでかまくらの中に灯がともされて、中に居る子供たちや地元の婦人たちが「入ってたんせ」「飲んでたんせ」と観光客に甘酒を振る舞ったり、もちを焼いて楽しんでいた。かまくらは雪を高さ約2.5メートル、直径約4メートルの円筒形に積み上げ、内部をくり抜いてつくったもの。中には5、6人が入れ、「水神様」の祭壇が祭られている。水の神さまに感謝し、子供たちの健やかな成長を祈る行事で400年以上も前から伝わっている。市内各地に約100個のかまくらがつくられたほか、バケツでつくった「ミニかまくら」約1万個が「蛇の崎橋」下の横手川河川広場などにつくられ、童話のような幻想的な光景が楽しめる。

 かまくらは16日までで、同日午前9時45分からは「ぼんでんコンクール」、そして17日午前10時過ぎからは「ぼんでん奉納」が勇壮に行われる。

 一方、六郷町では長さ5〜6メートルもの青竹を南北に分かれて町民が打ち合う「竹打ち」が今夜8時から行われる。日本に一つしかないといわれる奇祭だ。約500人の町民が南軍、北軍に分かれ青竹を打ち合う。バシッバシッと激しい勢いで打ち合う竹合戦。熱気あふれる打ち合いは、雪国の人たちならではのエネルギーを感じさせる。