初めてお手紙を差し上げます。五月一日に本を出すことになりました。無名故に産声を上げた『ヒッサリックの丘』は、闇から闇に葬られる危険を孕んでいます。生みの親として、何としてでもこの子が社会に暖かく迎えられ、健やかに育って欲しいと願わずにはいられません。
本屋の書棚は、輸入物の”チーズ“や”金持ち”や“地図”、更には芸能界のお絵描き帳、政治家やその血縁者の茶飲み話に占領されています。新聞記事を執筆される方々は、文章に生命を懸け、心血を注がれていると思います。どのようなお気持で、この社会現象を観察しておられるのでしょうか。
『ヒッサリックの丘』は、添付しました梗概のように、小説の新機軸を開くものです。どのページを開いても、時代の問題を鋭く捉え、読み手の心を激しく揺さ振ります。書店の平台を飾るに相応しい秀作です。目を引く場所に置かれて顧客を待つ為には、文章を生業とする諸兄の絶大なるご支援が不可欠です。そして、貴社の【書評】で取り上げて頂ければ、日本人の百人に一人が、この本を正しく評価してくれると思います。また、グローバル化の視点でも、世界に訴えかける力が充分あり、日本人として世界中の人々に自己主張できるはずです。
末筆になりましたが、貴社の益々のご健筆をお祈り申し上げます。
* ****知人への葉書******
花の彩り、鳥の囀り、風の薫を感ずる季節となりました。
皆様には、ご健勝にお過ごしのことと存じます。私にとって
は、この春は、沈黙を破る春となりました。会社を辞め、
小説を書き始めて二年が過ぎました。これまで、二十数編
応募し、賞の朗報はなく涙を飲んできました。
しかし、作品の中で私の分身は踊り、語り、今も呼吸を続
けています。この愛する主人公たちを是非とも皆様に知っ
てもらいたい、彼等の話に耳を傾けて欲しいと思いました。
その中で日本人の百人に一人が手にとり、感動する作品
を出版することにしました。
書名 ヒッサリックの丘
父から娘へ、描き遺した復讐のシナリオ
著者 保坂米蔵
出版社 文芸社
ISBN 4−8355−1778−4 C0093
定価 1,500円
発売日 5月1日(4月1日から予約注文可能)
ご購入頂き、ご感想を賜れば幸甚です。決して、皆様の期待
を裏切ることはないと思います。そして、この作品が皆様の言葉
で一人、また一人へと愛読の輪が広がることを心から願っていま
す。
契約書店に置くのは、僅か一ヶ月間です。本屋さんにない時は、
お手数ですが、店頭で注文して下さい。最後になりましたが、皆
様のご健康とお繁栄を切に祈りながら筆を置かせて頂きます。
お買い上げ、有り難うございました。
* ***宣伝文(梗概)****
ほお、凄い小説だ! 抉る現代、見せる未来
1.IT事業で売り出す堀越電機の舞台裏
誰も彼もがITを口にする時代です。しかし、ITの実態をどれほど知っているの
でしょう。
企業のITを推進する情報システム部門は、華々しい言葉とは無縁な世界にいま
す。彼等は企業活動を網羅する膨大なデータを死蔵するだけで、経営者を刮目させる
情報に加工する知恵がありません。
生れてから既に半世紀が過ぎようとしているこのコンピュータによる管理技術をど
のように自らの経営に活用していくのか、経営者は未だに迷妄の中にいます。最先端
の電子機器を販売し、経団連の役員をし、政府のIT戦略委員会に名を連ねるような
人々の取り組み姿勢が如実に描写されています。
小説の主人公、情報システム部門の一員である島崎達夫は、堀越電機の
ITを俎上に載せ、読者に鋭く迫ります。
2.明治の“家”そのものの東亜書房
島崎はハードウエアの堀越電機を退社して、ソフトウエアの東亜書房に転職しま
す。本屋の書棚には、自由・平等・友愛を語りかける本が溢れています。しかし、東
亜書房ではそんな本を出版したことを忘れたかのような経営がなされていました。明
治から百三十年が過ぎ、新しい世紀を迎えようとしている時に、庇の深い茅葺きの屋
根に覆われ陽光の射し込まない店先で、東亜書房は営々と家業を営んでいます。
経営者の口から飛び出すIT、マルチメディア、コンテンツなどの言葉が、島崎の
耳には絵空事に響きます。出版社とは何かを、島崎は熱く読者に語りかけます。
3.描き遺した復讐のシナリオ
島崎は、信頼する同志と共同で興す新事業を夢見ながら、失意の内に世を去りま
す。娘の京子は、遺された図面を父が指名した三人に託します。そこには、ヒッサ
リックの丘に眠る財宝の在処と発掘方法が、綿密に描かれていました。その財宝に
よって新事業を立ち上げ、東亜書房の資金源を枯渇させる意図が隠されていました。
そして、復讐劇は始まります。
この小説には無限の楽しみが仕組まれています。読む人によって、千変万化し、尽き
ることのない興味を与え続けます。主婦は、相対する生き方をする島崎と広河に、見
たことのない会社での夫の姿を重ね合わせて見るはずです。ヒッサリックの丘に眠る
財宝を掘り当てるのは、まさに読者なのです。