思い出の森(97・8・22)

──さん。あなたはあの日、「どこか静かな所を歩いてみたい」と言いましたね。 「あの向こうの緑が輝く山を間近に見てみたい」と。どこか寂しそうな、悲しい瞳が僕 は印象に残ってます。そして歩いた東山の杉の木の森。杉の木立が夕日を浴びて、立体 的に浮かび上がっていました。「杉がこんなにきれいに見えるなんて」。──さん。あ なたは静かにそして深いため息をもらしていました。──さん。僕は今、あの杉の森を 前に一人,佇んでいます。(六郷町の黒森山で)