表紙写真「白樺の悲しみ」(98・10・3)
風があった。風は雲を運び、思い出を運んだ。久しぶりに晴れた。六郷町の黒森山を訪ねた。白樺の木。その端正なたたずまいにさえ孤独ながあった。悲しみがあった。いつからか、衣(きぬ)擦れの音のような寂しさを背負ってしまった。風はその寂寞とした影を運んできた。風の音を聞いて山道を歩いた。歩くことで忘れたいと思った。