桜も散って、入れ代わるようにチューリップの季節となった。雨の多い年だけにせっかく咲いたチューリップも冷たい雨に打たれ幾分、しぼんだままだった。昔、「雨に咲く花」と言う歌があった。実らぬ恋とあきらめ、「雨に打たれて泣いている花が私の恋かしら」という歌詞だった。チューリップと悲しい恋は似合わないが、このごろ何か大切なものを失ったような気がする。雨に咲く花を見つめながら、恋に似た悲しみを見つめた。