表紙写真「晩秋の抱き返り渓谷」(00・11・6)

 晩秋の抱き返り渓谷秋を求めて4日、再び田沢湖町へと走った。「抱き返り渓谷」。紅葉は終わりに近く、わびとさびの世界だった。回顧の滝への散策路は多くの観光客で賑わっていた。これからは青空が見られる日は少なくなるばかりだ。それだけに少しでも秋の一日を楽しみたいとしているのだろう。抱き返り渓谷は思い出の地であり、出会いの地でもある。「いつまで歩いていてもきりがない。そうしたものだ、二人連れで歩く道は」。この渓谷に足を踏み入れるたびに思い出すのは五味川純平の小説「人間の条件」の出だしである。戦争に翻弄され、愛をも引き裂かれた若い二人。渓谷の道はいつもロマンを漂わせる。