もしもピアノが弾けたならと言う歌があったと思う。自分ももしもピアノが弾けたならという願望がある。演奏会場で大勢の人に聴かせるほどの腕は持たなくても、ピアノを自由に弾きたい、そんなことを思うことがある。ピアノのあの弾力性のある音は大好きだ。昔、集めたレコードもピアノソナタが多かった。中でも好きなのはベートーベンの「月光ソナタ」だった。あの曲を聞いては密かに涙したものだった。晴れた日の午後、千畑町のラベンダー園を歩きながらなぜか「ピアノを自由に弾けたらどんなにいいだろうなー」と思った。紫色に染まった大地を見つめながら、不思議な夢を追っていた。