柿の実が橙色に熟していた。柿の実には苦い思い出がある。子どものころ、秋になると兄とその仲間たちの後を追ってクリの実拾いやナツメの実を求めてあちこちの屋敷に無断で侵入したものだった。兄は弟の自分をかばって「ここからは入ってくるな」と怒られそうな所には入れなかった。いつも兄やその友だちが無断で拾ってきたクリの実やナツメなどをいただいて口にした。自分だって手柄を立てたいと人の屋敷に忍び込んで柿の実を数個、取った。大いに自慢できると兄たちに持って行ったら渋柿だった。あの渋さは苦かった。(写真は県立農業科学館で撮影)