六郷町での取材の後、黒森山を目指した。とはいえ途中の積雪状態を見て無理な山路の走行は控えようと途中で引き返した。黒いスギの木が今朝の新雪を受けて、墨絵のような風景を織りなしていた。音のない静かな風景を見つめた。白と黒のクリスマスツリーのようなスギの木を眺めながら、旅立った先輩記者を思い出していた。絵描きでもあったその人は冬の光景が好きだった。今、あの遠い空の向こうからこの風景を眺めているのだろうか。そう思った。