年明け後は雪の日々続いている。雪雲がこの秋田に居ついてしまったような毎日だ。こんな日々が続くと冬の青空が美しい太平洋側からこの秋田に嫁いできた女の人たちは辛いだろうなと思う。川の風景を見たいと車を走らせた。寒々しい眺めだったが、真っ白な雪の美しさに遠い昔、憧れた原田康子の小説「挽歌」を思い出していた。北海道を舞台にした若い女の子と妻ある設計士の恋の物語だった。都会的でテンポのいいドラマだった。「いまだけでいいわ。私のことだけを考えて。ほかのこと、みんな忘れて」。玲子の愛の言葉が思い出された。