十文字町の皆瀬川で羽根を休めている白鳥を観たいと思った。久しぶりの青空だった。車で30分ほどの距離。だが、外気が一気に高まったせいか、皆瀬川に着くまでは一面の靄(もや)が立ち込め、乳白色のカーテンを突き破って行くようなドライブだった。ライトを点灯しての運転となり、果たしてこの靄で白鳥を観られるものかと不安もあったが、十文字町に入るころにはカラリと晴れた。クオー。クオー。白鳥の群れは多くの見物客に囲まれ、投げ与えられるパン切れを満腹するほど飲み込んでいた。空を3羽の白鳥が飛んだ。青い空と白い鳥。「白鳥や悲しくないか海の青、空の青にも染まらず」。こんな歌が思い出された。