あの山の麓まで行けたら。と時々、山に救いを求めることがある。子どものころ虹を追いかけて、あの虹の橋のたもとに行った ら幸せそうになれる夢を求めた。あのころと同じように遠くに霞む緑の山を眺め、あの山の麓まで行けたら救われるのではない かと思ったりする。このごろ少し寂しく、少し傷ついた。だから雲が浮かび、雲がユックリと流れる風景を見ようと思った。綿雲、 絹雲、巻き雲。雲が群がる雲の林からポツンと離れたはぐれ雲があった。砂場で一人遊ぶ寂しい影を背負った子どものような雲だった。