太田町での取材が合ったついでに東山の麓へと足を伸ばした。太田町から千畑町を経て六郷町へ抜ける広域農道がある。山を切り開いた道路だ。この道が好きだ。山の斜面は一面のススキだった。ススキの穂が山の斜面を銀色に染めていた。千畑町のラベンダー園のある公園で車を停め、山を眺めた。桜の木の葉が赤く染まり出していた。目の前の屏風絵のような山を眺め、もう10月かと空を見上げた。白い雲の群が西から東へとゆっくりと流れていた。ロマン・ロランは「ジャン・クリストフ」に雲と戯れるのを教えた。雲を眺め、雲に命じる遊びを教えた。高校生のころ読んだロマン・ロランの小説を思い出しながら、たった一人の公園で秋の空の雲を眺めた。