箱根「芦ノ湖」を渡る遊覧船の上から「富士」を見た。富士はその裾野が箱根の山々に隠され、頂きだけを少しのぞかせるような形で現れた。もやで霞んだ富士だったが、端正な姿に変わりはなかった。富士を見たのはこれで何度目だろう。初めて富士を目にしたのは正月、大阪からの帰りの新幹線の窓からだった。真っ白な富士の美しさが忘れられない。その次は6年前の正月だった。河口湖からの富士、忍野村からの富士を見た。それから数年経って焼津市の海岸でも富士を見た。海岸沿いを歩きながら眺めた富士も良かったが、今回のように夕もやの中で隠れるような姿の富士も良かった。富士を見ながら「また逢えたらいいね」と呼びかけた。