よりそひて 深夜の雪の中に立つ 女の右手(めて)のあたたかきかな─。(石川啄木)。雪降る日の朝、雪景色を求めて走った。真っ白な雪の朝は悲しいほどの美しさを見せる。雪に埋もれた長い坂道をおばさんが一人、杖を突きながらゆっくりゆっくり登ってきた。隣の集落から隣の集落へと茶飲み友だちを求めて行くのだろうか。厳しい雪国の風土を飾った老女の点景に郷愁を感じ、「ごめんなさい」とシャッターを切った。すれ違った時、その人は「まず降ったなんし」と声を掛けてくれた。その声に見送ってくれた人の手の温かさを感じた。(大曲市内小友で)