弥生3月に入り、眠っている虫たちも目覚める「啓蟄」も過ぎたと言うのに天気は冬型が続いている。激しい吹雪になったり、深々と雪が降り道路を再び氷の世界とさせたりしている。それでも陽が射すと太陽の温もりはポカポカと春を感じさせる。取材で神岡町を走った。神宮寺嶽が雄物川を隔てて墨絵のようにそびえていた。昔、召集を受けて戦地に行った兵士たちは終戦で戻ってきた時、列車からこの山を涙を流して見つめ帰郷の喜びにひたったものだと言う。標高277メートルの神宮寺嶽は神岡町の人たちにとって何にも換え難いシンボルであり、誇りとしている。