東山の麓を走った。美郷町六郷から千畑地区へと山沿いの道を走った。東山は藍色に染まって、静かに雨の季節を迎えていた。緑が美しいと思った。無数の木々が生命力を発揮し、天を目指して伸び、山に生きている鳥や獣、虫たちと語り合っていると思った。梅雨、独特の鉛色の空が山を覆っていた。東山は青空もいいが、こうした湿っぽい季節も美しい顔を見せてくれるんだなと思った。山は「あなたは今、私の懐の中に入ったのよ。私の心の温もりをあなたにあげます」とほほえんだ。